日本人の起源(縄文・弥生・大和)
39351 農耕生産は私権闘争には直結しない
 
田中素 HP ( 36 企画 ) 02/09/05 AM01 【印刷用へ
> @稲作が私権闘争→私権社会を生んだのか、それともA性闘争が私権闘争→私権社会を生んだのか

この点について、私も少し考えてみます。岡本さんが紹介された「農耕闘争起源説」3パターンは、次のように要約できると思います。

1.農耕による余剰生産を巡って自然発生的に私権闘争が発生した。
2.農耕による人口増大→食料不足が私権闘争を発生させた。
3.農耕に内在する自然支配・改変の思想が私権闘争を発生させた。

サルの時代から縄張り闘争は存在しますから、食を巡って争いが起きる可能性はあり得ます。しかし、食の本能は欠乏を充足すれば終いで「余剰」を求めることはありません。豊かな食料が闘争を生むならば、南方の採取部族が最も好戦的でなければならず、1の余剰説は現代の私権観念から逆追いで発想されたに過ぎないと思います。

2については、食料不足から同類闘争という事態が起こった可能性はあり得ます。しかし、江戸時代の農村共同体の「間引き」や農民一揆を考えても分かるように、このような生存確保のための行動は基本的に「集団課題」であり、それだけでは私権闘争〜私権社会には直結しません。

3についても、私は環境問題が深刻化した現代の価値観がやや混在しているように思います。確かに、農耕という生産様式で人間は初めて大々的に自然に手を加えたわけですが、農耕技術自体は道具や言語の発明と同じ適応のための知恵であって、そこに特別な思想性はなかったと思います。現代のような深刻な自然破壊に至らしめた要因は、このような「技術」そのものとは別にあるのだと思います。

私権社会へ繋がる「私権闘争」の決定的な条件は、個人間闘争であること、つまり「集団」から「個」への意識の解体です。生産様式や技術がその背景になった可能性はありますが、突き詰めれば「個人が個人を所有対象or敵と見做す本質的動因は何か?」という問題ではないでしょうか。
 
 
  この記事は 39115 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_39351

 この記事に対する返信とトラックバック
農耕生産は私権闘争には直結しない 「縄文と古代文明を探求しよう!」 09/12/29 PM07
222644 農耕生産は共認原理がふさわしい 澤根和治 09/12/25 AM02
「縄文と弥生の境目」、朝鮮半島から「縄文人」が渡来した? 「縄文と古代文明を探求しよう!」 08/06/26 PM11
余剰が冨の集中と戦争をもたらすって本当? 「縄文と古代文明を探求しよう!」 08/02/06 AM00

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp