農村を活性化させる為には?
363622 地域自給のゆるやかな共同体を目指して@ ―未完の百姓として―
 
山本紀克 ( 31 会社員 ) 21/01/15 PM06 【印刷用へ
リンクより

島根県雲南で酪農を核とした有機農業にこだわり続けてきた木次乳業創業者の佐藤忠吉さん。日本の有機農法の草分け的存在で、日本で初めてパスチャライズ牛乳の開発に成功した人としても知られています。佐藤さんは酪農と乳業だけでなく、農家と加工営農を含めたネットワークを作り、かつての日本に当たり前のように存在した「地域自給に基づいた集落共同体」の復活を目指してきました。木次乳業の社長時代から自らを百姓と名乗ってきた佐藤さんに、現代の日本で失われつつある生きる上で大事なことを語っていただきました。

(略)

■未完の百姓として
──百姓といえば、佐藤さんの名刺の肩書にも百姓と書かれていますが、農家じゃなくて百姓なんですね。

百姓は百の作物を作る人。米作り、野菜作りはもとより、微生物学、栄養学、気象・天文学などに通じる知恵を駆使し、土作りに始まって炭焼き、牛飼い、養蚕、大工までをこなす人間です。そうした百姓が集まり地域自給、村落共同体を再生しようと、木次の自然を大切にしながら仲間作りを続けてきたわけですが、私なぞはまだまだ未完の百姓です。

(略)

■日本人は無理して牛乳を飲む必要はない
──日本人は牛乳を飲まなくていいとはどういうことですか?

日本人は遊牧民族ではなく定住民族だからです。定住民族として長い時間を生活する過程で腸管が長くなったりして体の構造が牛乳に合わないようになっているんです。日本人の中には牛乳を飲んだらお腹を壊してしまう人もたくさんいるでしょう。

人の赤ちゃんにとって一番いいのは言うまでもなく母乳です。母乳は殺菌処理なんかしないで生でそのまま飲みますよね。でも中には母乳が出ないお母さんもいるし、戦後急速にグローバル化が進んで食文化が多様化していく中で一般的に牛乳を飲む機会が増えました。たまたま酪農を始めた以上は、まっとうなものを出しましょうというのが私の基本的な方針です。そこをわきまえていないと、まがい物を人に強要することになります。それだけはしたくない。だから作る際も、まず自分自身や自分の子どもが食べ、飲むものならどう作るべきかを考えます。

だからパスチャライズ牛乳を作った当時も今も「パスチャライズ牛乳は大量生産できません」「日本で一番うすくて美味しくない感じの牛乳です」とうたっているし、製品のパックにも「赤ちゃんには母乳を」「お母さん方へ お母さん 赤ちゃんにはあなたの母乳を差し上げてください。母乳こそ赤ちゃんの最高の食べ物です。」と、刷り込み、牛乳を運ぶ車にも書いているのです。

──普通はそれだけ苦労して作った牛乳ならできるだけたくさん売ろうとしますよね。

だから乳牛で会社を大きくしようなんて思ってないんです。もしそれが普通だと思うなら、あなたの考え方が間違っとるんです(笑)。
 
 
 
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_363622

 この記事に対する返信とトラックバック
363624 地域自給のゆるやかな共同体を目指してB ―「農業」ではなく「農」。「一物皆食」「土産土法」― 山本紀克 21/01/15 PM08
363623 地域自給のゆるやかな共同体を目指してA ―地域は活性化ではなく沈静化がふさわしい― 山本紀克 21/01/15 PM07

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp