実現論を塗り重ねてゆく
329794 市場論・国家論3.第1次・2次世界大戦の背景⇒近代とは制覇力が武力から資力に移行した時代。それゆえに植民地を奪い合う侵略戦争の圧力が充満していた時代
 
岡田淳三郎 ( 70代 経営 ) 17/09/21 AM00 【印刷用へ
実現塾の要約です。
第2次世界大戦の主な追求ポイントは、
・日本は、なぜ敗けると分かっている太平洋戦争に踏み切ったのか?
・二度も、欧州発の世界大戦が起きたのは、なぜか?

イ.世界に充満する植民地侵略戦争の圧力

・日本は、いきなり対米戦争を始めた訳ではない。黒船来航から始まり→日清戦争→日露戦争→朝鮮侵略→中国侵略→満州国樹立の果てに日米開戦(大東亜戦争)に突入していった。
これらの戦争は(黒船来航も含めて)植民地の争奪戦争であると定義付けることができる。

・もちろん、この植民地侵略戦争は日本が始めた訳ではない。黒船来航が象徴しているように、植民地侵略戦争の震源地は欧州であり、明治以前から欧州発の植民地侵略戦争の圧力が世界中に漲っていた。その最終的な決着点が、欧州発の第1次・第2次世界大戦である。

・つまり、世界中に充満する欧州発の植民地侵略戦争の圧力の存在こそ、欧州発の世界大戦が二度も起きた大きな原因であり、又、日本が侵略戦争に参入していった原因である。


ロ.経済力が軍事力を規定するようになった=制覇力が武力から資力に移行した

・では、この欧州発の植民地争奪戦争の圧力はどのように形成されたのか?それを解明しないと、1・2次世界大戦の本当の背景は掴めないし、真の構造も見えてこない。

・そこで、改めて近代の戦争の背景に目を向けると、近代は経済力が軍事力を規定するようになった時代、換言すると敵を倒し社会を統合する究極の制覇力が、武力から資力へと移行した時代であるという、歴史の大きな転換点が見えてくる。

・欧州では、制覇力が武力から資力に移行し、経済力が軍事力を規定するようになったからこそ、欧州各国は経済力を強化するために植民地の争奪戦争に邁進していった訳である。

・現代人(特に支配階級)は、「経済力が軍事力を規定する」のは当然の歴史貫通的な事実だと思い込んでいるが、それは誤った固定観念であって、古代・中世では経済力が1/100の蛮族(ゲルマン)がローマ帝国を滅ぼし、同じく1/100の蛮族(モンゴルやツングース)が漢や宋や明を滅ぼしたというような事例が東・西を問わず無数にある。

・では、現代はどうか?核兵器は究極の抑止力となるが、それはどの国でも作れる。従って、核兵器が登場して以降、経済力が1/4しかないソ連や中国はアメリカと互角に渡り合ってきたし、昨今の北朝鮮に至っては経済力が1/100以下しかないのに、アメリカを手玉に取っている。要するに核兵器や電磁兵器の登場によって「経済力が軍事力を規定する」時代は終わっている。

・つまり、「経済力が軍事力を規定している」のは、近代の戦争の特徴なのである。


ハ.では、欧州において、制覇力が武力から資力に移行していったのは、なぜか?

・資力が第一(お金が第一)という価値観が形成されるためには、市場=貨幣経済がある程度成立していなければならない。

・しかし、ある程度の貨幣経済の成立という点では、中国やアラブの方が先行しており、2000年前には成立している。それに対して、地中海を除く欧州は2000年前は貧しい後進地域で、欧州がその段階に達するのは1000年前後である。しかも、中国やインドやアラブでは、ある程度まで貨幣経済が浸透していたが、決して「お金第一」にはなっていない。なぜ、欧州では「お金第一」の観念が形成されたのか?


ニ.近代を制覇力が武力から資力に移行した時代と定義し、近代の戦争を(それ故の)植民地侵略戦争であると定義するなら、むしろ、十字軍遠征こそ最初の第1次世界大戦であり、大航海という名の大侵略こそ本当の第2次大戦であり、いわゆる1・2次世界大戦は第3次大戦と見るべきではないか。その方が、分かり易いし、市場と国家の関係も見え易い。
 
 
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