日本人と縄文体質
298447 日本語は、情景が自然と音に転化する言語である。根底にあるのは、意識と所作と情景を結ぶ「発音体感」
 
松本翔 ( 25 構造設計 ) 14/11/27 AM00 【印刷用へ
日本語は「子音+母音」からなる、自然に近い、あるいは、動物的な言語であると言えます。ゆえに西洋人がノイズとしか捉えられない自然の音も、日本人は脳の言語野で捉えることができる。それが日本人特有の感覚の原点にあるのではないか、という記事を前回紹介したのですが、今回は「発音体感」というキーワードによって、この仮説を見ていきます。


黒川伊保子『日本語はなぜ美しいのか』について書かれた内容について、
リンク
より引用します。
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<いままで問題にされてきた、聴覚レベルの「音韻」は、顕在意識の話にすぎない。ほんとうは、全身で感じる「発音体感」すなわち発音がもつ潜在意識のレベルを明らかにしないと、言葉の本質はわからない。>

これが本書の出発点である。

この「発音体感」論を支える論拠は、「共鳴動作」である。共鳴動作とは、「人が生まれながらにもっている、目の前の動作に共鳴する[→真似する]能力」のことで、赤ちゃんはこの能力によって母語を覚えるという。

「共鳴動作」によって幼いときに身につけた、音と意味のつながりの感覚すなわち「発音体感」が、「意識・所作・情景」という人間の基礎感覚をつくるし、その言語の特徴にもなるというのが本書の主張である。

こうして、「発音体感はことばの本質である」と、著者はくかえし断言する。

この確信から、実践的結論もみちびき出される。すなわち、日本人は母語たる日本語の発音体感を身につけることが先決であって、半端な早期英語教育などもってのほかであると。
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引用終わり


それを踏まえた上で、著者はさらに、日本語が体感・心情に直結する母音を核とすることで、情景が自然と音に転化し、日本人は音と情景のつながりに自然に共感できること、従ってオノマトペが共有され定着し豊富になってきたことを指摘しています。


リンク
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■母音が心情に与える効果/影響について

1)「日本語の特異性」より
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日本語は、母音を主体に音声認識をする、世界でも珍しい言語である。
現在、日本語と同じように、母音を主体に音声認識をする言語として確認されているのは、ポリネシア語族のみ、欧米各国やアジア各国の言語においては、すべて、子音を主体に音声認識をしている。しかも、これらのことばの使い手の脳では、母音は、ことばの音として認識されておらず、右脳のノイズ処理領域で「聞き流して」いるのだ。

話者の音声を、母音で聴く人類と、子音で聴く人類とがいる。
「言語を聴く、脳の方式」という視点でいえば、世界は、大きく、この二つに分類される。この方式の違いが、人々の意識の世界にどんな大きな違いを作り出すかについては、「日本語が、圧倒的少数派の方式の言語である」ということである。
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2)「語感の正体は、口腔内物理効果の体感である」との理論を立て、「発音体感は、意識と所作と情景を結ぶものだ。辞書的な意味によって発音体感の意味を語ろうとすると、美しい関係性モデルはでき上がらない。なぜなら、意味は記号であり、慣習的に使われているうちに、ことばが生み出されたときの意識や情景とは乖離してしまうからである」が著者の原点です。

3)「私たちは、事象に似た発音体感を味わうために、言い換えれば、魂の共鳴を感じたいがために、ことばをしゃべっているのかもしれない。」

4)日本語には約2400のオノマトペ(擬態語・擬音語)があり、日本人は日常会話にこのオノマトペをよく使い、このオノマトペこそ語感そのもの。日本人が何世代にもわたって使ってきたオノマトペは、人々に支持されてきた。フィーリングに合わないオノマトペは使われなくて廃れてしまいます。

5)体感・心情に直結する母音を核とする日本語にオノマトペが豊富なのも納得できます。
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引用終わり


>発音体感は、意識と所作と情景を結ぶものだ。
実現的思考にはどのような脳みその使い方が要るのか考えるとき、この日本語の特性、日本人の脳の特性をおさえることが、重要なヒントになる気がしています。
 
 
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