西欧科学は狂っている
298363 培養できない微生物たち −自然環境中での微生物の姿−その1
 
岸良造 ( 62 技術者 ) 14/11/25 AM01 【印刷用へ
「体内ウィルス発生学説」の続きです。ウィルスはどこに存在しているのか?
「わたしんちの医学革命と雑多な情報」の簡単版「ウイルス、細菌の自然発生説」よりリンク
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『培養できない微生物たち −自然環境中での微生物の姿−』
(Rita R. Colwell,学会出版センター)
 もしも目の前に感染症を疑わせる患者がいたら,どのようにするだろうか。
症状である程度あたりをつけ,血液検査などを行い,同時に細菌検査を行うはずだ。
そして喀痰や糞便を採取してそれらを寒天培地などで培養し,そこで培養できた菌を感染起炎菌と考え,抗生剤を投与して・・・という手順を踏むはずだ。あまりにも当然過ぎる手順である。
特に,「細菌は培養して同定する」というところに疑問を持つ医者はほとんどいないと思う。細菌は培養できるもの,というのが常識だからだ。
 ところが,この20年くらいで,微生物の専門家の間では,この「常識」が完全に否定されている。
自然界には「生きているが培養できない細菌 Viable But NonCulturable (VBNC)」がたくさんいて・・・というより,圧倒的多数の細菌はVBNCの状態で存在していることがわかったからだ。

つまり,培養できる状態の細菌は自然界の例外中の例外の細菌だったのである。

 その例外的細菌を相手に,ああでもない,こうでもない,と治療法を探ってきたのがパスツールを祖とする細菌学であり,医学だったのである。
要するにこれは,ミツバチの研究家が,たまたま巣からはぐれたミツバチを見つけて研究し,「ミツバチは巣を作らず,単独で生活するハチである」と結論づけるようなものだ。
 パスツールは偉大である。最も尊敬すべき科学者の一人である。しかし,彼が余りに偉大過ぎたため,その方法論を無批判・盲目的に受け入れてしまったことが,近代から20世紀後半までの細菌学の悲劇だったのだ。

  細菌学は当初,感染症の原因菌,つまり病原菌を探ることから始まった。それは大腸菌にしろブドウ球菌にしろ,浮遊している菌である。細菌がいると思われる 液体(膿汁,喀痰,糞便など)を養分を含む寒天培地に塗り,温度を37℃に保ち,そこで育ってくる細菌を単離精製し,増やした細菌を健康動物に接種するこ とでその疾患が発生することで,その細菌がその疾患の原因と判定できる,という「コッホの三原則」に帰結した。

 では,この過程のどこに問題があったか,おわかりだろうか。それは「培養し」という部分である。
実は「培養」という操作自体が,細菌をセレクトしていたのである。つまり,培養そのものが実験系のバイアスだったのである。
 これは古細菌と呼ばれる細菌(私の記憶が間違っていなければ化学独立栄養細菌,メタン生成菌,硫酸還元菌などがそうだったと思う)で以前から指摘されていた。
こういう細菌は,実験室のあらゆる培地で培養できなかったからである。
しかし,顕微鏡を覗くと,そこには無数の細菌がいる。しかも,ATP生成を調べると,明らかにその細菌たちは生きているのである。このような知見から,VBNCという概念が1980年代に提唱され,現在では揺るぎない事実として認められているのだ。
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