日本人と縄文体質
298165 日本人の脳は自然の音も言葉として捉えることができる。母音主義がもたらした表現の豊かさ
 
松本翔 ( 25 埼玉 構造設計 ) 14/11/21 AM01 【印刷用へ
全ての日本語は子音+母音からなりたっています。必ず母音が入ります。一方英語ならびにその他の言語では、それほど母音は重視されません。
この違いが、実は日本人の独特の感性を育んできた、という記事があったので紹介します。日本人は虫の声など自然の音も言語野で捉えることができる。これがアニミズムや八百万信仰など、日本人特有の感覚の原点にあるのかもしれません。

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医学博士である角田忠信氏はその著「日本人の脳-----脳の働きと東西文化」で、
西欧人の脳が、言語脳である左脳でロゴス(理性=言語や計算)、右脳でパトス(感性)を認知するのに対して、日本人の脳は、左脳で情緒や自然をも認知し、しかもロゴスとパトスを分け隔てずに認知する、としている。

(内田樹氏は、こうした日本人の脳を「マンガ脳」と言っている。
 そしてブログ記事リンクで、

 「欧米語話者は失読症になると、まったく文字が読めなくなる。しかるに、日本語話者は二種類の病態をとる。漢字が読めなくなって、かなだけが読める症状と、かなが読めなくなって、漢字だけが読める症状である。それから、漢字を読んでいるところと、かなを読んでいるところが、別の脳内部位であることが知れるのである」

 と述べて、これが和漢洋の混交遣いと関係していることを解説している。

この認知形式は、日本語の特殊性によるもので、日本人以外は、同じ母音主義のポリネシア人しか持ち合わせない。

日本人の場合、母音も子音も左脳で認知表現している。
一方、西洋人の場合、子音が有意味音とみなされ左脳で認知されるが、母音だけだと、自然音と同じく無意味音とみなされて雑音としてやり過ごされる。
日本人の場合、虫の声などの自然の音も母音と同様に左脳で認知していることが注目される。

それは日本人がベースに温存してきた<部族人的な心性>の中核であるアニミズムに由来するのではないか。八百万に神を見出すという信仰は、自然の八百万に意味を見出す、つまりは森羅万象を言葉として認知するということになるからだ。
またこのことは、日本語ならではの擬音語や擬態語が豊かにあり現代人の私たちもそれを多用していることに繋がる。

日本語の動物の鳴き声と外国語のそれを比べると、まず前者が母音主義ゆえに母音表現、後者が子音主義ゆえに子音表現であることに気づく。日本人も外国人もその言語脳の働きによって、自分たちの鳴き声の方がそっくりで他者のそれが似ても似つかないと感じている。

だからひいき目ということにはなるのだが、どう考えても動物が人間の口や舌や唇だからできるfやv、sやthを発声している訳はなく、母音主義の方が動物的と言える。
それは、人類が言葉を得る前段階として、動物の物真似をすることで「音楽する脳」を発達させたこととも符号している。たとえば子音主義の欧米人の歌でもリズムや音程や感情移入は母音を活用している。また、感情のうちの情動(emotion)は、無意識的な即座の身体反応を伴うもので、プリミティブなものは人間だけでなく動物も展開する。その人間による言語表現には、驚きがa、u、e、oであるなど普遍的に母音主義がみとめられる。

角田教授はこう述べている。
「日本人の脳だけが、母音に対して特殊な反応形式を示すと考えられます。
 ですから面白いですよ。いろいろ実験してみますと、動物の声のようなものはみんな左側にいってしまうんです。
 けれども楽器の音のように整然としたものは右側へいきます。
 これはどうも脳幹にあるスイッチのような機能の作用らしくて、日本人以外は、そのスイッチの作用の仕方が違う」

日本人とポリネシア人だけが、その他の世界の人々と異なり、石器時代の人類の認知形式を言語形式として、そしてその発展系である音楽を根幹的要素とする祝祭や文化として温存してきてしまっている。
なぜ、「音楽する脳」が<動物の物真似段階→歌い踊る段階→楽器を奏でる段階=言葉が生まれる段階>と進化する過程で、日本人とポリネシア人だけが母音主義にとどまり、その他大勢が子音主義に移行したのか?

子音主義への移行については寒冷や乾燥などの気候との関連を言う諸説があるのだが、私は、日本人は、あくまで石器時代のアニミズム的世界観を母音主義を一貫することで守ろうとしたのではないか、と仮説する。そう考えないと、文明化した後の一貫を説明できないからだ。
そしてそう考えると、中国から漢字を導入する際のあの世界に類例のないウルトラC的なやりかた(音読み・訓読み/和漢混合遣い)がはじめて理解できる。日本人は母音に宿ると信じた言霊を守ろうとしたのではなかろうか。
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引用終わり
 
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