西洋医療と東洋医療
296310 癌になる人の3.2%は健康診断などX線検査に伴う放射線被曝。胃バリウム検査は胸部X線写真の約150から350倍の被爆。
 
山田太郎 14/10/07 PM07 【印刷用へ
健康診断で一番違和感を感じるのが「胃バリウム検査」。
金属を飲み、X線をあて、下剤を飲む。
どう見ても体を痛めている。

調べてみると、このバリウム検査はX線の連続照射で、胸部X線の150倍〜350倍の被爆があるらしい。これは現在のチェルノブイリ原発跡に1時間滞在するのの、2〜4倍の被爆量だとか。
健康のために胃バリウム検査を受けて胃癌になることほど、馬鹿げたことはありません。

小林メディカルクリニック「健康診断のための胃バリウムと胃カメラ検査:どちらを受けるべきか」より引用します。
リンク
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

日本は欧米に比べて胃癌の発症率が高く、それを早期に発見するためのスクリーニングの方法として従来は、胃バリウム検査が幅広く採用されてきました。主に日本人の手により開発され、改良されてきた2重造影法と呼ばれる検査法により、これまで数多くの人命が助けられてきました。胃癌のスクリーニングの目的で、これまで胃バリウムの果たしてきた歴史的な役割を否定することはできません。しかし最近になって、そのリスクと有用性が改めて見直されようとしています。その大きな理由の一つが、検査に伴う多量の放射線への被曝の危険性です。その結果、現在日本で行われる人間ドックでは、放射線を多く被爆してしまうバリウム検査に置き換わり、胃カメラ検査を行うことが次第に主流になりつつあります。

では、胃バリウム検査で実際にどのくらいの放射線を被爆することになるのでしょうか。胃バリウムの直接撮影検査では一般に、平均して15から25ミリシーベルトの放射線を浴びるとされています。シーベルトとは、放射線の種類による違いを加味した生体への吸収線量の単位です。1年間に自然に浴びる放射線量は1から1.5ミリシーベルトとされていますので、胃バリウム検査ではその約10から25倍もの放射線を短時間に浴びてしまいます。短時間にこのような大量の放射線を浴びると、遺伝子の本体であるDNAの一部に傷をつける可能性があるかも知れません。さらに毎年バリウム検査を受け続けるとすると、この放射線による遺伝子の傷害が次第に蓄積されていくと考えられており、長年にわたるDNAへの影響により、最終的に発癌に至ってしまう可能性は否定できません。参考として、直接撮影による胸部X線写真による放射線被爆量は0.07から0.1ミリシーベルトですので、胃バリウム検査では、何と通常の胸部X線写真の約150から350倍の被爆があることになってしまいます。この被爆量がいかに大きいかを理解するには、被爆チャートが参考になります。現在のチェルノブイリ原発跡に1時間滞在した時の被爆量の2−4倍というのですから全く驚きです。

2004年にLancetという学術雑誌に英オックスフォード大のグループが、日本で癌になる人の3.2%は健康診断や病気の診断を目的とした医療機関でのX線検査に伴う放射線の被曝が原因と推定されるというショッキングな報告をしました(Lancet. 2004 Jan 31;363(9406):345-51)。この研究は、各国の放射線検査の頻度、検査による被曝量、さらに年齢、性別や臓器ごとの放射線の被曝量と発癌率の関係についてのデータから、放射線検査に起因すると考えられる発癌者数を推定したところ、日本では1年間に7587件、何と癌発症者全体の3.2%が医療機関での放射線暴露に関係するらしいとの結果がでました。英国とポーランドが0.6%と最低で、アメリカは0.9%、調査が行われた15か国の中で日本が最も高率でした。日本は1000人あたりの1年間の放射線検査の回数が1477回と最も多く、この数字は15か国の平均の1.8倍、発癌率は平均の2.7倍であり、また1回の検査あたりの被曝量が他国に比べてより多い(被爆量の多い胃バリウムやCT検査が多く行われているため)ことが明らかになりました。この報告について、方法論と結果の解釈をめぐって、その後多くの議論がなされていますが、少なくとも倫理的に、不必要なX線検査を避けることの重要さを日本の医療従事者に再確認させました。医療の先進国を自負する日本として、癌全体の3.2%が検査のための放射線被爆で発症したという誠に恥ずかしい状況を打開していくためにも、過剰なX線検査をできる限り減らしていなくてはなりません。健康のために胃バリウム検査を受けて胃癌になることほど、馬鹿げたことはありません。
 
 
  この記事は 291464 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_296310

 この記事に対する返信とトラックバック
297193 誰のための健康診断?バリウム検診への疑問 匿名希望 14/10/29 PM03
296386 日教組は何のために存在する?文部省指導のままに「ガン教育」とは。 佐藤晴彦 14/10/09 PM07

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp