脳回路と駆動物質
280603 記憶の整理時に、脳内の神経細胞も物理的に整理している
 
13/09/07 AM00 【印刷用へ
大脳での記憶の整理・定着には、神経細胞間の接続部の形状・大きさなどが関与しているといわれていますが、東大の河西春郎教授らの研究チームの研究結果により、記憶の整理時に、脳内の神経細胞間の接続部(シナプス)も物理的に整理されていることがわかりました。
具体的には、脳内伝達物質のグルタミン酸(興奮系)とGABA(抑制系)の働きにより、神経細胞にある「樹状突起」のトゲ構造「スパイン」の収縮や除去が起きるようです。

脳内ネットワークの精査が記憶の整理に繋がっている、という点が非常に興味深いです。


東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 構造生理学部門 河西(Kasai)研究室HPより引用リンク
■引用開始―――――――――――――――――――――――――――
記憶を整理する大脳シナプスの運動を発見 ― 抑制伝達物質GABAが関与

要約  大脳の神経結合(シナプス)の整理や消去には興奮性伝達物質グルタミン酸と供に、抑制性伝達物質GABAが必要であることがわかった。抑制性伝達物質GABAは脳の発達、学習記憶、睡眠、自閉症や統合失調症などの精神疾患に深く関係している。

予備知識
大脳の働きを司る神経細胞は大樹のように見事な枝(樹状突起)を多数伸ばし(図1)、その枝には1ミクロン以下の大きさのとげ(スパイン、注3)が無数に生えています(図1B)。このとげに神経細胞間のシナプスができます(図1)。このシナプスによって作られる神経細胞の回路で情報が処理されることにより、我々の脳は高度な機能を営むことができます。この回路の動作を決めるのがシナプス結合の強さです。
面白いことに、大脳でシナプスの出来るスパインの形は著しく多様で、それには深い意味があると考えられてきました(図1)。我々は2光子励起顕微鏡を用いることによりスパインの大きさがシナプス結合の強さを決めていること、そして、学習によってスパインの大きさが変わることなどを、世界に先駆けて明らかにしてきました。スパインは脳の記憶素子の様です。

解説
東京大学医学系研究科の河西教授、葉山博士課程大学院生、野口助教らは、2色のレーザーで興奮性伝達物資グルタミン酸と抑制性伝達物質ギャバ(GABA、注1)のそれぞれを放出することにより、大脳のシナプス(注2)の収縮や除去を誘発することに初めて成功した。この結果、シナプスの増大は単一シナプスに限局するのに対して、収縮・除去は側方に広がり、増大と競合して、シナプスの選別を著しく強化することがわかった。このGABAの作用は神経突起内のカルシウム濃度上昇の抑制による。従来よりGABAは活動電位の発生を抑制すること普通考えられているが、今回それに加えてGABAにはシナプス周囲のカルシウム上昇の抑制による細かな調整があることが明らかとなった。脳機能は興奮性伝達物質グルタミン酸と抑制性伝達物質GABAの綱引きで決まり、GABAは脳の様々の機能の発達、その臨界期、睡眠、自閉症や統合失調症などの精神疾患に深く関係している。今回の研究は、これらの精神現象や疾患の理解に新しい展望をもたらす。
――――――――――――――――――――――――――引用終わり■
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