実現論を塗り重ねてゆく
253611 中国交易史7 (北宋)本格的な科挙制度→文官統制国家に
 
小暮 勇午 ( 33 路上人 ) 11/06/28 AM02 【印刷用へ
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252117 1遊牧民が作った交易ルート
252118 2(秦〜漢時代)朝貢交易体制と中華思想
253335 3(五胡十六国時代)
        長い戦乱→土地に根差さない商人が大量に登場
253336 4(隋・唐)イスラム商人の活躍で、循環交易路が誕生
253337 5(隋・唐)中央集権と地方分権は交互に繰り返される
253579 6(唐・五代十国)塩の密売人が唐を滅ぼす
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■宋(北宋) 本格的な文官統制国家

戦乱と分裂の時代を制し、960年に宋(北宋)が誕生する。地方司令官が反乱し続けたことによって滅亡した唐時代の反省から、宋が目指したのは完全な『文官統制国家』であった。軍司令官が勝手に地方官僚を登用することはできなくなり、その採用は3年に一度行われる学科試験(科挙)に一本化された。世襲の特権的官僚は姿を消した。さらに軍の体制を軍政・統帥・運用を分けて文官に担わせた。

しかし、文官より低く位置づけられた軍には優秀な人材が集まらなくなり、中央軍の弱体化が侵攻していく。そこで宋では、国境を脅かす北方の遊牧民族と争うことを避け、銀や絹を貢ぐことで友好関係を保つことに腐心する。

当然のように財政が逼迫する。そこで、中央政府は塩と共に当時庶民の必需品となっていた茶を専売品に取り込む。財政逼迫に合わせて専売価格を吊り上げていったため、またしても密売人が横行した。

この時代、管理交易のもとにありながら、規制がゆるく、(密交易を含む)私交易が自由に行えた。商人は行や作と呼ばれる組合を組織し、江南を中心に商工業が発展していく。当時、江南地方の広州が中国の海上交易額の9割を占めたと言われている。

しかし、銀や絹を贈るだけでは国境線を維持できる訳がない。軍事力が低下していた宋は、東北地方を遼(モンゴル族?)、華北を金(ツングース族)、西北を西夏(羌族)に押さえられてしまう。宋は都を長江流域に移し、中国大陸南部を支配する(南宋)。中国北部は金(ツングース族)が支配した。


☆宋では、地方司令官が力を付け反乱することを防ぐために、科挙により登用した文民が軍隊を管理する体制へ
→軍が弱体化したため、北方遊牧国家への貢物によって平和を維持しようとする
→官僚の維持と貢物のために、財政が逼迫
→財政再建のために、専売制を強める
→密売人が横行し、管理交易を裏で、私交易が盛んになる
 
 
 
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1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
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