実現論を塗り重ねてゆく
253337 中国交易史5 (隋・唐)中央集権と地方分権は交互に繰り返される
 
小暮 勇午 ( 33 路上人 ) 11/06/21 PM04 【印刷用へ
五胡十六国時代・南北朝時代という400年間の戦乱を通じて、大規模荘園地主が増えていた。
唐代に確立された「均田制」は、この荘園地主の増大を抑制するために、個々の一般農民に土地の私的所有を保証した制度であった。荘園地主の抑制という面ではうまく機能しなかったが、土地の私的所有を国家が法的に保証したことは画期的なことであった。

また、隋・唐などの鮮卑王朝の君主は、自らの命令によって動く軍隊を作るため、土地の所有を認めた農民を徴兵・訓練して王の部隊を編成した。この過程で、遊牧各部族の兵士は重要性を失っていく。

しかし、この制度には欠陥があった。税や強制労働に加えて兵役まで課されるのは、農民にとって明らかに過剰な負担だったのである。やがて、国の管理を逃れるために土地を棄てる者が続出、税収が減り徴兵も困難になってきた。これでは、周辺の遊牧民に太刀打ちできない。

そこで、金で雇った職業軍人が存在感を増していく。8世紀前半には徴兵制が廃止され、主に北方の遊牧民から募集した騎馬兵が中心となって、国防を担っていった。

しかし、唐王朝はこれらの騎馬軍団をコントロールすることに失敗する。地方の司令官は、集めた税を中央に送らず、その金を給料として支払うことで兵を私物化し、地方官僚も勝手に任命するようになった。
加えて、彼ら半独立の地方司令官は、官商として勝手に商人と取引し、勢力を拡大していく。

こうして力を失った唐王朝は、10世紀初めに滅亡する。

・戦乱によって、大量の逃亡民(難民)が誕生。
→難民を取り込んで土地を開拓する強大な荘園領主が登場。
⇒唐王朝は、一般農民の土地の私的所有を認めた。
⇒加えて、彼ら農民を徴兵し、軍団を作り上げる。
→その結果、地方軍閥が誕生。半独立していく。
★彼らが地方都市で盛んに商取引を行う

★中国の歴史は、国家体制として捉えると、中央集権と地方分権を交互に繰り返している。
・地方分権(小国家が乱立している)
 →戦乱が続く→統合気運の上昇
 →中央集権国家に
・中央集権国家を維持するために、地方に司令官を派遣
 →地方司令官が私腹を肥やす
 →地方で半独立=地方分権化
 →小国家が乱立する
 
 
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