人工物質の脅威:大気・水・食品
250474 放射線被爆とがんの関係〜まとめ〜
 
太刀川省治 ( 51 建築士 ) 11/04/28 PM04 【印刷用へ
 政府や保安院、東電が「健康に直ちに影響するレベルではない」とする説明に、医療(検診)による放射線被ばく線量がよく引き合いに出されるが、ごく少量であっても確実に肉体を蝕んでいる。
 今回の原発事故で大気中に大量の放射線物質が放出されていることは確実で、その影響が10年、20年後の日本に現れることは必至である。

 完全な影響回避は不可能だとしても、わが国の未来のために被爆を避ける出来る限りの努力はすべきだし、医療検診のあり方も見直すべきだろう。何より、これらの事実を誰もが知ることが出来る環境を作ることが最優先の課題である。

引き続き「検診と放射線」(リンク)から転載します。

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 ま と め

 放射線の危険度を我が国の白血病・肺がん・肝がんの動向から検討した。以下のことを少しは明らかに出来たと思っている。

1)  放射線の危険さは、ICRPの値が妄信されているが、検診で利用された放射線の影響は追跡されておらず、根拠がない。今回検討したところでは、放射線のリスクはかなり高い。
 割に早く現れる白血病についても、検診の効果検討で問題にされていない。医療で診断に利用している放射線が白血病死増加の原因でないかとの予防がん学(平山 雄著)での指摘も10年以上放置されている。放射線の影響は30年以上追わないと明らかにならない。

2) 高令者では被曝してもあまり影響がないとの説があるが、若年者と較べて白血病は多発し、がん増加は同じ率であり、高令者での放射線被曝の危険さは、若年者より高いと考える。

3) 肺がんの増加は大気圏内での核実験が主要原因だが、日本では結核検診での胸部撮影も影響している。

4) 日本の肝がんは結核検診での被曝量に関係がある。予防注射のまわし打ちによるC型肝炎の増加は副次的である.

5) 放射線を利用したがん検診の効果は放射線被曝で起る白血病・がんの増加で完全に帳消しになる。

6) がん検診を主導する医師は、放射線の閾値は300ミリシーベルトであり、これ以下の線量で行われているがん検診とか医療診断では、放射線の影響は無視してよいレベルと主張している。(www.yobouigaku-tokyo.or.jp/lb16_xry.htm 「検診と放射線」舘野之男)。

 だが、かなり少ない線量で行われた結核に対する胸部撮影でも、肺がん・肝がん・白血病をかなり増やしていることは明らかであり、胃がん検診が胃や周囲の臓器のがんを増やしていることを推測させるものである。医療で利用されているX線撮影も相当危険であるので、必要最小限にとどめる必要がある。

胸部検診の被曝線量は1950年には80ミリシーベルト、1970年には4ミリシーベルトと推定したが、この線量は多めに見込んで検討した。現今のマンモグラフィや胃がん検診では1ミリシーベルトと言われているが、検診を行う施設によっては10倍ほどの差がある。


    参考資料
J.W.ゴフマン  人間と放射線  1991年 社会思想社 今中哲二 他訳
平山 雄    予防ガン学   1992年 メディサイエンス社
森 清一郎   ビキニ環礁における被曝調査を通して
        第10回核戦争に反対し、核兵器の廃絶を求める
                    医師・医学者のつどい報告集
中川 保雄   放射線被曝の歴史 1991年 技術と人間社
草間 朋子   ICRP 1990年勧告  1991年 日刊工業新聞社
厚生省     がん検診の有効性等に関する情報提供の手引 1998年

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