実現論を塗り重ねてゆく
241015 最終氷期の気候と人類の生活〜人々の生活〜
 
村田頼哉 ( 38 高知 企画 ) 10/11/20 PM04 【印刷用へ
ガルガス洞窟の壁画には、動物の姿と並んで217個の手形の跡が残されているが、手形のうち38%が親指を除く4つの指の第一関節から先が失われており、おそらくは凍傷に対処したものと見られています(※すべての指を持つ手形はわずかに10個、それも全て子供のものであった)。
最終氷期の極寒の中で人類が生き延びるには、5万年前から4万年前を起源とする知性の発達が重要な役割を果たします(127248)。とりわけ、3万年前に発明した針と糸によって衣服を仕立てることや、2万年前の弓矢の発明などにより生存確率は高くなります。

乾燥化した平原が広がるヨーロッパにあって、人々は採集だけでは十分な食糧が確保できず、トナカイ、ウマ、オオヘラジカといった大型草食動物を狩猟して生活を送っていた(わずか3家族15人が生きていくためにも、年間1500頭のトナカイを狩猟する必要があった)。獲物が季節によって移動するためにも、自然の移り変わりや動物の動向を把握し、狩猟の罠を仕掛けるといった工夫も行われてた。食糧を大型動物に依拠する点では、ヨーロッパに住んでいたクロマニョン人もネアンデルタール人とあまり変わりません。ネアンデルタール人の人骨に残るDNAを分析すると、動物を食べることでタンパク質を摂取しており、現生人類も北緯60度より北方では9割以上が動物食であったことが分かっています。

フランスやスペインの山間部の渓谷沿いには洞窟があり、寒さをしのぎつつ大型哺乳動物を狩猟するための生活拠点とする集団が存在した一方で、比較的気候が安定していた地中海沿岸にも海産物を主食とする集団もいたと思われる。しかし、最終氷期以後に海面水位が上昇し、当時の海岸線の遺跡は海底に沈んでおり考古学的な証拠は残っていないのが現状のようです。

一方、ヨーロッパよりも赤道方向、低緯度側での人類はというと、パレスチナ北部ティベリアス河畔にあるオハロU遺跡から多種多様な種類の種子や果物が出土しており、いずれも野生種のものであるが、貯蔵も行われていました。北緯40度よりも南側では食べ物の20〜50%は植物が占めていたとの調査結果があります。

参考図書:気候文明史/日本経済新聞出版社/田家 康
 
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