実現論を塗り重ねてゆく
240992 トバ火山の噴火による寒冷化
 
村田頼哉 ( 38 高知 企画 ) 10/11/19 PM10 【印刷用へ
もともと地球の平均気温をみると、前回の温暖期であるエーミアン間氷期の12万5千年前にピークを過ぎ、9万年前からヨーロッパ北部でツンドラ地帯が広がり、8万年前からスカンジナビア半島の万年雪の地域が拡大しつつあったように、地球は寒冷化に向う流れにありました。そうした中で、7万4千年前にトバ火山による寒冷化は起きました。

最後の氷期であるヴュルム氷期で最も寒かった時代は、2万1千年前から1万8千年前の間ですが、気候モデルのシミュレーションによると、トバ火山噴火後の一千年間に限れば、最も気温が低下していたと推測されています。

数年間、海面近くの水温は3〜5度低下し、気候変化の影響を受けやすい高緯度地域では、噴火後2〜3年にかけて夏の気温は15度も下がったと考えられています。特に噴火後の6年間は、年間を通して冬のような天候が続き、世界中の動植物に重大な影響をもたらしました。
寒冷化が進んだことで北半球では急速に氷雪に覆われた地域が広がり、白い大地は太陽放射による熱エネルギーを地球の外へと反射し、寒冷化を一層加速させました。寒冷化の影響は1000年近く続いたとされています。

また、この大噴火により、ホモ属の傍系の種(ホモ・エルガステル、ホモ・エレクトゥスなど)は衰退し絶滅へと向う。生き残ったホモ属はネアンデルタール人と現世人類のみで、現世人類も総人口が1万人程度までに激減したとされています。

参考図書:気候文明史/日本経済新聞出版社/田家 康
 
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