健康と食と医
217116 『マクガバン・レポート』がアメリカの『がん』を減らした。
 
原賀隆一 HP ( 59 デザイン自営 ) 09/10/13 PM03 【印刷用へ
 この内容は『アメリカはなぜガンが減少したか』(森山晃嗣・著)を参考にしたものです。

■1970年代アメリカでは、ガン、肥満、心臓病などで多くの人達が入院・死亡していました。そしてあまりにも医療費の増大で政府は頭を抱えていたとき、それまで病気は全て細菌やウィルスであるとされていたのを、「食習慣」から起きるものだということをつきとめました。

◆それは、1977年に民主党上院議員「ジョージ・マクガバン」氏がまとめた、いわゆる「マクガバン・レポート」でした。多くのアメリカ人がそのレポートの従った食習慣に切り替えたことで、急速にガンやその他の疾病が減少していったのです。

●食事は植物性食品を中心とする。野菜、果物、豆類、精製度の低いデンプン質の主食など、できるだけ多種の食物をとる。
◆野菜、果物を一日の合計400〜800グラムとる。
◆他の植物性食品は穀類、豆類、いも類などを合計600〜800グラムとる。
◆肉(牛、羊、豚など)は一日80グラム以下にする。
◆総脂肪量を減らし、総エネルギー量の15〜30%に抑える。特に植物油を使用する。
●一日1時間程度の運動をする。
などが書かれています。

■そのレポートが発表されてから間もない1979年、ニューヨークの子供たち100万人を対象に食事に関する大調査が行われました。ニューヨークでは校内のカフェテリアで朝食と昼食をとる児童が多く、そのメニューによって学力にどんな影響があるかを4年間に渡って調べたのです。
◆調査開始以前の校内カフェテリアの定番は、ハンバーガー、フレンチフライ、ホットドッグ、ポテトチップス、フルーツポンチ、チョコレートミルク、コカコーラといったものでした。

◆まず飽和脂肪酸(コレステロールや中性脂肪を増やす『脂肪酸=肉・動物性脂肪)』と『砂糖(精製)』も量を減らしました。パンは食物繊維が豊富なものに変えられました。
 すると、
●1年後、標準学力テストの平均点が39点から47点へと、いきなり8点もアップしたのです。
●2年目は、加えて、『合成着色料』、『合成甘味料」を使った加工食品がカフェテリアから一掃されました。その結果、平均点はさらに51点まで上昇。
●3年目は、二年目と同じ食事で、平均点も同じ51点でした。
●4年目は『合成保存料』を添加した加工食品は全て一掃されました。すると、平均点は55点に達しました。

■この調査にあたったアレキサンダー・シェラス氏は、「ニューヨーク学区はこの4年間に教師の給料を上げたわけでもなく、クラスの学童数を減らしたわけでもなく、カリキュラムの内容を変えたわけでもありません。変えたのは、学校内のカフェテリアの食事内容だけです。信じがたいことですが、『食事が学力をアップした』といわざるを得ません。今では、カフェテラスで食事をする子供たちが成績面でトップグループになっています。カフェテラスの食事内容を嫌って家から弁当を持ってくる子供たちより平均点が11点も上なのです。」

◆家から持ってくる弁当というと、手作りのおかずがいろいろあって、素材もバランスがいいだろうと思うのですが、当時のアメリカの母親は仕事をしている人が多く、(今の日本のように)パンにハム、あるいはジャムをはさんだ簡単な、まさにファーストフード店の食べ物とほとんど変わらないものや、子供が好きなものを店から買って持たせる、いわば調査前のカフェテリアの食事と変わらなかったのです。

■これと同じような実験調査を、バージニア州のある「凶暴性の強い少年」を収監している少年院でも行われ、短期間で凶暴性が少なくなり、大きな成果を挙げています。

■そして、マクガバン・レポートが発表された1977年、そのレポートに、

「世界で1カ所だけ理想的な食生活を行っている国がある。事実その国の人達は長寿で、とても高い能力を持っている。私達は彼らの食習慣を見習うべきだ。」という内容で称えられています。

◆それは他でもない日本のことだったのです。この発表でアメリカでは日本食ブームが巻き起こり、アメリカから急激にガンが減り、医療費も大幅に減り、子供たちの粗暴も減り、成績もアップしていきました。
(マクガバン氏は70年以前の日本の食文化を指していたのです。)

■それに引き替え、日本ではその頃から「欧米食」「ファーストフード」「ジャンクフード」が急速に拡がり、病気にしろ、子供の学力、素行、犯罪までが増加してきました。

■現在「医療費」増大がいろいろと問題になっています。
1961(昭和36年)年現在の医療保健制度(社保・国保など)が施行されました。
昭和50年度、国民医療費は約6兆5000億円でした。
昭和60年度、16兆円を超え、平成2年度20兆円を超え、平成11年度30兆円突破。平成15年31兆円超。平成18年33兆突破。と年々急増し、40数年間で総税収(約40兆円)と並ぶほどになってきました。

■「厚労省」や「医師会」なども、各種の病気は『食の欧米化』によるものが大きい。と、「食」に起因する割合が多いことを唱えているのに、なぜ日本は是正しようとしないのかわかりません。
◆最近、デパートやコンビニ、スーパーなどの「お弁当」戦争(?)がレポートされています。「いかに安く」「いかにボリュームがあるか」の競争が展開されている様です。そして、「ワンコイン(500円以内)」で買える昼食弁当などと、行列ができるほど繁盛?しています。
 『バイキング』方式もです。(最近小・中学校でも採用されています)

■価格の競争をすればどうしても、素材のコストを下げなければならないでしょう。結果、素材の質も低下するでしょう。なぜなら本当に栄養価、ミネラル(有機質)豊富な野菜などはそれなりに手間がかかるので、農家もそれなりのコストがかかります。また、賞味期間が短いと売れ残りを廃棄処分しなければならないので「防腐剤」などの添加物も増えるでしょう。

◆以前、「マクドナルド」(100円ハンバーガー)をテレビで見ていた、私の母(今92歳で元気)は(田舎ですので)食べたことはないのですが、「あんな値段で儲けがあるのだろうか。儲かるとしたら、よっぽど材料が悪いんだろうね」と言っていました。

◆しかし、それらの店の前を通ると結構子供連れの母親などで繁盛しています。上のコーナーにも書いたのですが、1970年代アメリカでは、それらを多く食べていた子供たちが食を変えて好転したのですが、ちょうどその頃から日本人がそれらを多く取り入れて来たようです。うがった考えかも知れませんが、実際米国では肉の消費が落ちているので、日本へどんどん輸出(在庫処分・押し売り?)しているのではないでしょうか。
 
 
 
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245350 ガン治療の闇・米国OTAレポートを紹介したジャーナリストは殺された@ 777 11/02/08 PM07
228725 1年放置しても腐らないマクドナルドのハンバーガー 火中の栗 10/03/22 PM05
217447 re:『マクガバン・レポート』がアメリカの『がん』を減らした。→デンマークにおける菜食事例 浅野雅義 09/10/17 PM04

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