日本人の起源(縄文・弥生・大和)
199999 東アジアの鉄の歴史A〜中国の製鉄の歴史(紀元前1世紀には製法が完成)
 
田野健 HP ( 48 設計業 ) 09/02/18 PM00 【印刷用へ
伝播から製鉄技術の完成まで中国の鉄の歴史を俯瞰してみる

●殷・周時代(紀元前10世紀)
河北省で最古の鉄器が発見される。

●春秋末から戦国初期(前4〜6世紀)
〜江蘇省程鎮1号墓から白銑鉄の鉄塊・2号墓から海面鉄鍛造の鉄棒出土
銑鉄と錬鉄の両方が存在した。ただし、この時代の鉄器は大半が鋳鉄製。錬鉄の硬化技術がまだ、十分に開発されておらず、鍛造製のものはごくわずか。鋳造製の硬いが脆いという弱点は刃を脱炭することによって克服され、実用農工具に鉄器が使われていく。

●戦国後期(前2、3世紀)
〜河北省燕下都44号墓出土の鉄戟・鉄矛・鉄剣など鉄製武器が急増〜
海綿鉄(錬鉄)を鍛造したもの・表面を硬化させて鋼にしたもの・さらに焼き入れたものなどを錬鉄に硬化させる技術の進展を示す。

●秦(前2世紀)秦始皇帝 中国全土に鉄官配置
〜前119年 前漢 武帝の時代には鉄官が49ヶ所に及ぶ。〜

●前漢(前1世紀)
〜河北省鉄生溝の製鉄遺跡では海綿鉄を生産した炉と銑鉄を生産した炉のほかに銑鉄を脱炭して鋼とした製鋼炉や炒鋼炉と呼ばれるものが出土。

●後漢
大量量産が可能な溶融銑鉄法による銑鉄生産が中心になるとともに、鍛錬技術も発達
製鉄炉の改良がすすみ大型化する。
省古栄鎮製鉄炉では内容積50m3にも達する。(直径5.95m、高さ4.59m)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世界にさきがけて、溶融銑鉄法が中国でいち早く始まった理由はさまざまに推測されているが、紀元前15世紀頃から始まったと言われる青銅の溶解や陶器の製作で、炉を高温にする技術が発達していたことや、石炭を使うことが原因だったと考えられている。
中国の鉄の製造はその後の大量生産に繋がる間接製鉄法を早くから導入した華北と直接製鉄法の技術を高度化しながら発展した江南地方の北と南に大別される。

華北では、青銅の溶解に用いた合理的な製陶窪(くぼ)は1,280℃の高温を得ていたといた事がわかっており、この技術を利用して早くから鋳鉄技術が始まり、春秋戦国時代では大半が鋳鉄製で利器に使われていく。紀元前5世紀頃には鋳鉄の脆さを克服する焼き鈍し技術も発見された。
一方で江南地方では初期に中国に伝わった海面鉄の直説法がそのまま発達し、紀元前2−3世紀頃より皮鞴に替わり手押し〜足踏みフィゴが登場して炉内温度が改善され品質が向上し、海綿鉄を洗練した錬鉄で武器を、鋳鉄で農工具を造るという2つの製鉄法が広がっていく。漢の時代には製鉄技術は完成の域に達していた。
その後、近代までは大型炉で大量安定生産ができる溶融鋳鉄法が製鉄の中心になる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中国の鉄の歴史の最大の特徴は紀元前に既に大量生産できる間接製鉄法の技術を確立していた点にある。また東アジア全体の鉄技術の高度化は中国発であった可能性が高く、紀元前3世紀頃に楽浪郡から朝鮮半島に入り込んだ中国の目的は半島にある大量の鉄資源だった。
 
 
  この記事は 199998 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_199999

 この記事に対する返信とトラックバック
200003 製鉄方法の大きな違い/直接製鉄法と間接製鉄法 田野健 09/02/18 PM01

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
外圧適応態
外圧適応と多様化
根源的認識の理解、免疫系に見る…その2
収束と統合とは生きているという状態そのもの
雌雄分化における統合
闘争適応と共生適応の関係A
人類はDNAではなく、共認内容や観念内容を組み換えて適応している
ミラーニューロンと共認機能
改めて自然との共認
共認回路の特殊性
共認回路は個体境界を越えて情報を統合する
失語症の回復過程から言葉以前の共認を探る
主体認識と状況認識は一体では無いか
無意識とは本能・共認回路上の意識である
音読する感覚
音読と共認回路
対象への同化について
共認治癒力A
共認適応
ロール・レタリングという手法
脳構造についての視点
脳回路の2段階構造
胃腸から脳へ伝わる情報の方がはるかに多い
書籍紹介『奇跡の脳』B〜右脳マインドの働きとは?〜
書籍紹介『奇跡の脳』C〜左脳マインドの働きとは?〜
ドーパミンの基礎知識(ドーパミンの特異性)
ドーパミンは加速(増幅)物質
思考とドーパミンの分泌
エンドルフィンの不思議
エンドルフィンの不思議、その2
セロトニンの不思議、その1
セロトニンの不思議、その2
セロトニンの不思議、その3
「怒りのホルモン!」 ノルアドレナリン
「恐怖のホルモン!」 アドレナリン

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp