日本人の起源(縄文・弥生・大和)
138476 「馬の家畜化の歴史」と「交易の拡大」
 
田野健 HP ( 46 設計業 ) 06/11/26 AM03 【印刷用へ
中央アジアの冶金交易になくてはならないものが運送手段である。すでに同時期、馬の利用が始まっていた事を著書「中央ユーラシアの考古学」では解説している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中央ユーラシアにはじまって世界史に大きな影響を与えたことのひとつは、馬利用の開始とその伝播の問題である。これには馬の肉、皮、毛、骨、乳利用もあるけど大きなことは人間に労働力を提供する役畜としてである。役畜としての馬は大きく言えば騎馬、牽引、駄載の3つの形態がある。馬の背は歴史を作った。
現在わかっていて、今後も訂正しないであろう事実の大筋は以下の3点である。
1.馬の家畜化時期は羊、牛、山羊より遅い
2.馬家畜化の場所は中央ユーラシア草原地帯である。
3.馬のユーラシア全域への伝播は大きく関係したのは騎馬ではなく、車輪ー馬車の牽引であるらしい。馬車の普及は前2千年半ば頃であり、騎馬の普及はすこし後であろう。

馬の家畜化はまだはっきりしていない。現在家畜馬の先祖種はおおまかには元々アルプス〜カフカス〜パミュールの北方に棲息した動物であって、ここを舞台に家畜化されたものには違いない。
家畜馬の先祖についてはタルパン馬とモウコノウマの2種が長らく議論の中心であるが決定打はない。

馬の家畜化と騎馬の開始に関してはウクライナのデレイフカ遺跡をめぐって起源が取りざたされている。スレード・ストーク文化と呼ばれ、年代は前4千年ごろになる。
デレイフカの人は最初は狩猟よりも家畜飼育、それも馬を第一の食料獲得源として生活していた。また、犬と併せて祭祀の際に特別な扱いを受ける動物であった。

牛ー馬の流れをアンソニー説は以下のように述べる。
もともと馬その他を狩猟していたデレイフカあたりの西側へ前6千年紀に西アジア型の農耕が発達してきたので人々は牛や羊の牧畜を知った。そこにそれまで家畜化されていなかった野生馬の存在、それに牛牧畜の知識を応用して馬を家畜化した。馬のような大型快速獣は徒歩で飼うのは困難で騎乗でなければ飼い難いし牽引する車両は当時まだないので、デレイフカの馬は騎馬用であろう。

またステップの人は植生に優勢な草食とした家畜を持たないと生活できない。したがってまず牛や羊を持つ人間がステップへ進出した。その後、特に雪が積もる地域ではひずめで雪を掻き分けて自力で生活できるので馬は手が掛からずに良い。はじめは肉を目的に馬を飼いはじめ、かなり人間に馴れたところで騎乗が試みられたのではないか?最初はおとなしい牝馬と、冒険心あふれた子どもによってだろう。おとなしい個体を選別して人になれている子孫が家畜になった。

その後西へも東へも確立した馬文化はスレードニー=ストーク文化から伝わって、早く南ウラルに達し、さらに東方へはアファショナシェブォ文化に広まっていく。さらに草原外への幅広い馬の利用は前3千年紀、さかんになるのは前2千年紀である。

馬社会はやがて社会を一変する。近い時代に馬がはいったのでよくわかるアメリカ平原部の場合を参考にすれば、馬の採用は社会を変えるにいかに重大な事件であったかがよくわかる。ユーラシアにはさらに古代戦車と騎馬遊牧も存在したのであるからさらに大きな要素であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上記馬の発達と冶金産業138047の発展は中央ユーラシアを舞台に歩を合わせるように東方へ文化を拡大していった。馬の家畜化は私権社会の拡大に一役も二役も買ったのである。
 
 
  この記事は 138047 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_138476

 この記事に対する返信とトラックバック
246738 馬の家畜化について Rivet16 11/03/06 AM02

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp