古代社会
134109 キリスト教が隆盛を誇ったのは思想が優れていたからでは無い〜ミトラ教という存在〜
 
狒狒 ( 46 ) 06/10/13 PM02 【印刷用へ
初期キリスト教の発展期に、もっと先行して世界宗教として可能性のあった宗教が存在した。
ミトラ教(ミトラス教)である。
「ヘブライの館さん」リンクより
以下引用
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●ミトラ教は、ヘレニズム・ローマ世界で主に紀元1世紀から4世紀にかけて、キリスト教と並ぶ救済宗教として絶大な支持を集めていた。

ミトラ教の存在は、キリスト教徒が最も触れられたくない異教のひとつである。なぜなら、ミトラ教こそ、キリスト教のルーツであり、ユダヤ教以外でキリスト教オリジナルとされている儀礼、例えば洗礼や聖餐など、そのほとんどを生み出しているためである。ミトラ教には、キリスト教が備えている救済宗教としての神話も神学も密儀も、全て備えていた。イエス・キリストに当たる救済者すなわちメシアは、ミトラ神そのものだった。

●世に近親憎悪という言葉があるごとく、まさしく初代のキリスト教会は、ミトラ教を激しく弾圧した。あまりにも両者は似ているため、あるキリスト教徒は、ミトラ教を指して「悪魔がキリスト教を模倣してつくった宗教だ」とまで主張するほどだ。

「もしキリスト教がなんらかの致命的な病によって、その成長を止められていたならば、恐らく世界中がミトラ教になっていただろう。」

エルネスト・ルナンのこの言葉から、キリスト教成立当時、いかにミトラ教が隆盛を誇っていたかが推測できる。実際に、ミトラ教の勢力範囲は、ローマ・ペルシアの地はもちろん、北はイングランド、東はイスラエル・シリア、南はアフリカのサハラ砂漠にまで及んでいたことが、残された遺跡などから確認されている。

●ミトラ教のルーツは、古代ペルシア人(アーリア民族)のミトラ信仰にある。ミトラ神は契約神・戦神・太陽神などの多彩な顔を持ち、古くからイラン・インド両民衆の間に絶大な人気を誇ってきたのであった。

●既に触れたように、ミトラ教はローマ帝国内で非常な威勢を誇った。各地にミトラ神殿が建立され、歴代ローマ皇帝の中にも、ミトラ神を政治的に利用するだけではなく、信仰を捧げた者がいた。

しかしこれは別に驚くほどの現象ではない。もともとミトラ信仰はアーリア民族の神話(正典『アヴェスタ』)をベースにしたものであり、ペルシア帝国と同じアーリア系国家であるローマ帝国内でも絶大な人気を誇るのは自然な成り行きであったのだ。

しかし、現実の歴史は、キリスト教による世界独占の方向に進んだ。ミトラ教の敗北は、313年にコンスタンティヌス帝がキリスト教を受容した時点(ミラノ勅令)で、ほぼ決定したのである。

●なお、キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の甥のユリアヌス帝の時代に、ミトラ教には失地を回復するチャンスがあった。ギリシア哲学に傾倒し、教養ある賢帝だったといわれるユリアヌス帝は、キリスト教を捨ててミトラ教に帰依し、ミトラ教の復興に尽力したのである。

だが、このユリアヌス帝の死後、ローマ政権と結んだキリスト教による一元的な宗教支配体制が着々と押し進められていった。392年には、ローマの伝統である宗教的寛容さを打ち切る旨の勅令が出され、国の祭儀として行なわれていた古代ローマ時代から続く儀礼への国費補助が打ち切られた。そして、ミトラ教をはじめとする異教の神殿は破壊され、それまでミトラ神の洞窟神殿だった聖域上にキリスト教会が建立されたのである。
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一神教の系譜は単純にユダヤ教→キリスト教、イスラム教では無かった。
世界最初の一神教であるゾロアスター教があり、そこからミトラ教、ユダヤ教などが生まれ、互いに影響し、いくつもの流れが生まれている。

キリスト教が世界宗教となりえたのは、その教えが民衆に支持されたからでは無く(学校ではそう習ったけど)、支配者が国教と「決めた」からだ。
支配者にとってその方が「都合良かった」からであり、キリスト教が都合良い内容を内包していたからだ。(私権統合を本源風にカモフラージュすることが出来るということか。他の宗教も50歩100歩だったかもしれないが。)

そして、ヨーロッパ文明が理想化するギリシャ・ヘレニズムの思想はキリスト教へと受け継がれていない。
 
 
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