日本人の起源(縄文・弥生・大和)
107200 古代中国の社会(2)〜農耕集団の組織化
 
にっすぃ〜 ( 30 ) 06/03/11 PM11 【印刷用へ
今回は新石器時代前期以降の農耕社会の進展について整理したい。

長江・黄河文明において、旧石器時代以来、アワ・キビとイネの栽培化が始まったのが約一万年前以降。新石器時代前期には少なくとも磁山遺跡の貯蔵穴に多量のアワが貯蔵されていたり、八十蟷遺跡で1万5000粒もの多量の稲藁が発見されたように、栽培穀物がかなりの量で獲得できるようになっており、成熟した初期農耕段階に達していた。この時代の社会進化(集団の組織化)はめざましく、集団内での役割・評価・規範を礎とする共認社会であったことが見てとれる。

当時の集落内の墓葬を見ると、埋まっていた副葬品の中には、磨盤や磨棒といったアワ・キビを製粉する道具や、農作業として畑の土を起こし、あるいは開墾や土木作業に使われる鋤がある。おもしろいことに鋤と磨盤・磨棒は決して組み合わさって出土することはなく別々に副葬されているのがほとんどである。

そして人骨からの分析より鋤は男性、磨盤・磨棒は女性に対応して副葬されており、土起こしや土木作業を男性が、製粉作業を女性が行なうという性別による労働分担の区分けが存在していたことがわかる。

さらに墓の副葬品には男性墓の場合、石斧や石鎌などの加工道具と収穫具、さらに土器が伴い、女性墓の場合は、磨盤・磨棒に加えて、土器が副葬品に加算される。男性墓、女性墓ともにこうした副葬品の構成には、墓ごとに多寡が存在し、それが被葬者の生前の社会的な地位と関係している。

これは決して男女という性別が地位の差を規定するのではなく、生前の被葬者の性別分業に基づく職能によって、集団内で社会的な地位が存在していたと考えられる。決して世襲制とか、血縁集団単位といったものではなく、個人の生前の職能が社会的な尊敬あるいは集団内での権威となっていたのだ。

こうした集団が農耕のみならず狩猟・採取といった多角的な生産形態に基づきながら、次第に集団の人口が増大していく。集団単位が増大し分化していったが、おそらく集団の一時期の人口規模は、数十人を単位とするそれほど大きいものではなかったと考えられる。
 
 
  この記事は 103782 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_107200

 この記事に対する返信とトラックバック
113619 「鋤」トリビア 中村康次郎 06/05/14 PM00
108535 なぜ稲作はこうもアジアに広まったのか? 小林雅志 06/04/04 PM10
108106 古代中国の社会(3)〜男女の分業体制が農耕に特化していく過程 にっすぃ〜 06/03/26 PM11

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp