この記事の読者は累積3100人です。
 
健康と食と医
358090 コロナウイルスがヒトの免疫系を機能麻痺させるメカニズム
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 20/07/01 PM10 【印刷用へ
新型コロナウイルスの入院患者の多くは、免疫に必須のT細胞なだどの免疫細胞が消失または不活性化しており、HIV のメカニズムと類似性があることが解った。ようするにT細胞などが、数が増えても正常に機能しないということらしい。

具体的には、「 IP10 」と呼ばれる T細胞を身体の必要な領域に送る役割を持つ分子の急増がある。通常IP10 分子は、T細胞が送られる間に、短時間だけ濃度が上がる。しかし、Covid-19 患者の場合では、IP10は濃度が上がり続け、正常なT細胞の機能を発現できなくなる。

Covid-19と同様の免疫過剰反応は、ある種の癌治療薬を投与された癌患者にも起こる。それは、腫瘍を攻撃するために T細胞を供給する(T細胞を増やす)薬物である。つまり、この薬物と同じ、T細胞を過剰供給し過剰な免疫反応を創り出す機能をCovid-19は持っていることになる。

以下『In Deep』様より引用
////////////////////////////////////////////////////////
コロナウイルスがヒトの免疫系を機能麻痺させるメカニズム(リンク
(中略)
そして現在、研究者たちは、新たな「不愉快な驚きを伴う事実」を見出した。新型コロナウイルスで入院している多くの患者で、人間の免疫に必須の特定の免疫細胞が消失することにより免疫系が脅かされていることがわかったのだ。不気味なことに、ここには HIV との類似性が示唆されている

この調査結果は、重症患者の免疫システムを低下させるための一般的な治療法の恩恵を受けるのは少数であり、他の多くの重症患者には有害である可能性があることを示唆している。また、この研究は、新型コロナウイルスに感染しても、子どもの場合、非常に発症する事例が少ない理由についての手掛かりを提供をしてもいる。

そして、新型コロナウイルスを制御するためには、HIV に対しての場合のように、薬物の混合が必要になる可能性があることを示唆している。米ペンシルベニア大学の免疫学者で、Covid-19 患者の免疫システムを詳細に調べているジョン・ウェリー博士(Dr. John Wherry)は「新型コロナウイルスの非常に複雑な免疫学的特徴」を指摘する研究が増えていると述べる。

ウェリー博士と研究チームは今年 5月、人間がウイルスなどの病原体と戦うための必須の免疫細胞である「 T細胞」の喪失を含む、重症の患者における一連の免疫系の欠陥を示す論文を発表した。別の研究では、研究者たちは 3つのパターンの免疫欠損を特定し、免疫応答の調整に役立つ T細胞と B細胞は、調査した 71人の Covid-19 患者の中の約 30%で不活性であると結論付けた。中国の研究者たちもまた同様の、新型コロナウイルス重病患者の「 T細胞の消失」を報告している。

Covid-19 患者に見出される最も印象的な異常の 1つは、「 IP10 」と呼ばれる分子レベルの著しい増加だ。この IP10 分子は T細胞を身体の必要な領域に送る役割を持つ。通常なら、この IP10 分子は、免疫細胞である T細胞が送られる間に、短時間だけ、そのレベルが上昇する。しかし、Covid-19 患者の場合では、コロナウイルスによって引き起こされる SARS および MERS の患者の場合と同様に、IP10レベルが上昇し続けるのだ。

このような状態は、身体内に無秩序な合図を作成する可能性がある(※ 免疫反応が無秩序になる)。その結果、身体はほぼランダムに T細胞にシグナルを送り、免疫反応を混乱させる可能性があるのだ。一部の T細胞はウイルス(病原体)を破壊する準備ができているが、これによりその機能が損なわれ、異常な動作をするようになる。

多くの T細胞が明らかに死滅してしまうため、体の免疫対応力は消失する。特に、40歳を超えると、新しい T細胞を生成する器官である胸腺の効率が低下するために、影響が大きくなる。今回の研究はまた、新型コロナウイルスの治療のためにポピュラーとなっているアイデアはほとんどの人を助けないかもしれないことを示唆している。

ヒトの免疫系がウイルスに非常に強く反応するため、一部の患者の場合、コロナウイルス感染によって深刻な影響を受ける。その結果、いわゆる「サイトカインストーム (免疫過剰反応)」が起きる場合がある。これは、腫瘍を攻撃するために T細胞を過給する薬物で治療されたガン患者にも見られる。

これらの過剰反応は、免疫細胞のもう 1つの主導役である IL-6 と呼ばれる分子を遮断する薬剤で鎮めることができる。そのため、新型コロナウイルスの重症患者に対しても、このようなサイトカインストームに対応する薬剤での治療が有効だろうと考えられてきたが、しかし、これらの薬はほとんどの Covid-19 患者で効果的ではない可能性があるのだ。

また、新しい研究は、以前からの「なぜ子どもはコロナウイルスで発症することが稀なのか?」という疑問に答えるのに役立つかもしれない。若い年齢の人たちは、新しい T細胞の供給源である胸腺が非常に活動的であり、そのために T細胞が多く作り出され、ウイルスが免疫細胞を破壊するより前に新たな T細胞を迅速に作り出すことができる。そのため、子どもたちは、免疫細胞の破壊を免れるようだ。

しかし、高齢者では、胸腺が機能しないために、新型コロナウイルスにより免疫細胞が破壊されていく。このような状況が判明してきた中で、抗ウイルス薬の混合剤である HIV 治療の薬物モデルが、新型コロナウイルスの軽度の症状の人、そして重症患者の両方にとって、有効になる可能性があるかもしれないことを示している。

一部の専門家たちは、重症になる理由が、免疫系の過剰反応であるとしたなら、抗ウイルス治療が重症 Covid-19 患者にとっては意味があるのかと考える。しかし、ウイルスが直接免疫系の機能不全を引き起こしているとした場合、抗ウイルス剤は理にかなっていると考える研究者たちが多い。その理由は、T細胞を消失させて免疫系の他の部分に害を与える前に感染を止めることが重要であるためだ。
(以下略)
 
List
  この記事は 357079 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_358090
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
359116 無用なコロナ予防で免疫力を低下させないことが重要な対応策 稲依小石丸 20/08/08 PM11
358768 平野前阪大総長 新型コロナによる肺炎の原因を解明 山上勝義 20/07/26 PM10

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献


『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp