企業を共同体化するには?
99790 スウェーデンが、少子化対策のモデル国って?A
 
佐々木健二 ( 26 徳島 企画 ) 05/10/26 PM01 【印刷用へ
少子化対策のモデル国に挙げられるスウェーデンだが、実態は人口の増減を分ける特殊出生率2.08どころか1.71と大きく下回っている。他にも福祉国家スウェーデンをモデル国にするには無理な点がある。

◆「高齢者1人を2人が支える時代」は、将来のことではない。
“将来”大変なことになる。“将来”破綻する。
統合階級は、“将来”福祉政策が破綻することに警鐘を打つ。
あたかも今は破綻していないかの印象を与えるのだが実際は既に破綻しているのではないか。現状の破綻を、将来の破綻にすり変えている。

例えば、よく「何人で高齢者を支える」かを図(リンク)で表し、「将来は2人で、高齢者1人を支えなければならない」と危機感をあおる。
全人口を、年少人口(〜14才)・生産年齢人口(15〜64才)・老年人口(65才〜)にわけ、生産年齢人口が老年人口を支える前提で数字を算出しているのだが、これは実態を表すものではない。

まず、15才以上が生産年齢という前提がまず実態と大きくかけ離れる。半数が大学・短大に進む現状では低めに見積もっても、20才が働きだす年齢である。また65才まで働くという前提も実態と大きくかけ離れる。

例えば、2000年の統計データを元にすると、1人の高齢者を3.9人の生産年齢が支えることになっているが、生産年齢を20〜59才として算出すると高齢者1人当たり2.4人の生産年齢が支えていることになる。
(ちなみに2005年現在の統計データを元に、生産年齢20〜59才として算出すると、高齢者1人あたり2.1人の生産年齢が支えることになる。)

また、生産年齢が支えるのは高齢者だけではない。子供がいる。年少人口を0〜19才、老年人口を60才以上とすると、これら1人あたりを1.2人で支えていることになる(2005年)。定年退職を65才まで引き伸ばすなどの案も出ているが焼け石に水であることは議論の余地がない。

福祉制度によって生産者と消費者に分けられ、潜在化していた諸問題が人数バランスのゆがみで一気に浮かび上がってきている。破綻している仕組みでいくら育児環境を整えても少子化に対する答えになっているわけがないし、実施すればするほど、生産年齢人口の劣化を促すだけである。

人口構成という単純なデータ一つとっても「必要なのは、仕事をしない人を作り出す福祉の充実ではなく、仕事=供給者を作り出すこと」と断言できるのではないか。
 
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