物質的欠乏が強かった時代には、欲しい物が次から次へと出てきた。そういう意味では景気の上昇、下降の原因も分かり易かった。要は、需要を喚起して供給しさえすれば経済の指標は上がったし、それが満足感につながっていた。
現代の日本社会では、大抵の必需品は手元にあり、携帯電話やパソコンに代表されるように、如何に製品に付加価値をつけるかが新製品の目玉になっている。そのほとんどが、実際には必要とされていない機能(例えば、携帯電話のカメラやテレビ)である。使う場面がないことはない、あったら便利?程度ではないだろうか。
こうした状況で、お金もそこそこある人が多い中で、「どうしても欲しい物」のために、必死で働くという構図は成り立たない。それでも経済の指標が上がった下がったにばかり注目するのは、ほとんど意味がない。
もともと、どうしようもなく貧しい状況でない限り、
>お金(税金)を金儲けや物的生産につぎ込んでも人間活動は(経済活動も含めて)活性化せず、
経済成長だけでは、社会に覆いかぶさる閉塞感や、個々の人間が抱える問題は何も解決しない。
何が問題の根本なのか?を問うことこそが現在最も必要なことなのだろう。 |
|