ユダヤ教を産み出したヘブライ人について、こんな世界史の講義録を見つけましたので紹介します。(リンク より引用)
>現実の展開としては、ヤハウェ神への信仰と十戒を持つようになったヘブライ人たちは、前10世紀に自分たちの国を建設します。ヘブライ王国です。場所は現在のイスラエルと同じところです。首都はイェルサレム。ここは、のちにイエスの活躍の舞台になりますし、イスラム教をつくったムハンマドが天に昇った場所とされていて、現在でもユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地です。
ヘブライ王国は、ダヴィデ王、ソロモン王の時代に中継貿易で大いに栄えますが、そののち南北に分裂。北部に成立したのがイスラエル王国(前932〜前722)。南部にできたのがユダ王国(前932〜前586)。
イスラエル王国はアッシリアにより征服され滅亡。
ユダ王国はアッシリア時代は持ちこたえますが、アッシリア滅亡後にメソポタミアにできた新バビロニア王国に征服されました。<
>バビロン捕囚の中でヘブライ人たちは自分たちが惨めな生活を強いられている理由を考えます。そして自分たちの運命を合理化するわけね。こんな合理化です。
「神は自分たちを選んでいるからわざわざ試練を与えてくれているんだ」と。
なにしろ、ヘブライ人は神からその名を教えてもらってるんですから、特別なわけですよ。
他の民族は神から選ばれていないから試練すら与えられていない、はじめから神に見捨てられているんだ。こう考えた。
「だから、最後の審判の日にはヘブライ人のみが救われるのだ」ここまで、行き着く。<
> 「何故、われわれヘブライ人はこんな目にあうのか」とかれらは考えた。ヤハウェ神を信仰していても御利益がなく、民族としてひどい目にあうのならそんな神様捨ててしまおう、という選択もあると思うのですが、かれらは逆の発想をする。
「われわれはモーセ以来の戒律をちゃんと守って、ヤハウェ神のみに信仰をささげただろうか」と、深く反省してしまうのです。深く反省すれば、そりゃあキッチリと戒律守っていない人はいくらでもいるわけでね。まじめにヤハウェ神を信仰しなかったから、神はわれわれにこんな試練を与えたのだ、というふうに考えたようです。
だから、苦難の中でヤハウェ神に対する信仰がいっそう強まり、民族としての団結心が強まった。<
確かに、負けて国がなくなってしまったという現実は直視するにはかなりつらいものだったのかも。宗教は国を超えるといわれるのも、自分たちの国は征服されてなくなってしまったというのが本当のところなような気がします。
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