>馬や犬などの親和本能は、彼らには自覚できないDNAの変異の積み重ねによって発達しましたが、それに対して原猿は、恒常的に飢えや怯えに苛まれており、否でも自覚せざるを得ないそれらの不全感をまぎらわす必要から共感機能(麻薬性の期待と応合の回路)を作っていった(もちろん、それ自体は自覚できないDNAの変異の積み重ねによって作られたのですが)という点が、決定的に異なる点です。(1928四方さん)
本能レベルの進化は無自覚なのに対して不全初の共感機能の獲得は自覚があったという違い、非常に重要な点だと思う。
同一視に帰着する共感機能〜共認機能の成立過程はどれぐらい、何世代くらいかかったのだろうか?きっと長かったんだと思う。
原猿の期間は6000万年前〜3000万年前といわれ、この3000万年の間のどこかの期間で〜それでも何千世代も重ねて作り出していった機能なんだろう。
正対視を獲得し、表情を作り、発声機能を獲得し、色覚機能を獲得していく。それら共感機能を創出、補強する為の肉体的機能が原猿時代の長い間に備わっていく。しかし何よりすごいと思えるのがDNAに刻印された心の進化である。
普通の進化は個体が自覚できない深いレベルでの適応欠乏によってDNA変異していくのに対して、猿時代は不全を常に自覚しつづけることで必要な心の機能を獲得してきた。それも最初は、不全をまぎらわすしかしかたない状態で登場したのが共感機能だったのだ。
共感→共認機能を獲得し真猿となり集団化した後も暇があれば毛つくろいする。
このスキンシップの習慣も原猿時代に獲得した共感機能の特徴を象徴している。不全や共認は常に自覚し使い続けることで初めて成立するのではないか。
他の本能機能が使わなくても決して失われないのに対して生物史レベルではまだ歴史の浅い共認機能はまともに使わなければ数世代ですぐに失われてしまうのかもしれない。
今、人類の現状が危機的なのはそこにある。人類本来の共認回路再生の時間はそう長くは待てない。
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