マダガスカル島の原猿集団にメス優位の猿集団がいます。
>外敵圧力の小さい隔絶された離島だったからこそ、ワオレムールは昼の世界に進出し、写真にあるように地上にも進出できたと考えられます。メス優位という霊長類では珍しい生態(これは原猿でも一般的ではないようです)もこのためと思われます。<28857
このワオレムールのメス優位の状況をビデオでみることが出来ました。
一匹のオスに5〜6匹のメスで一つの集団を形成しています。
この集団の縄張りの中に、人工的に水場を作ると、まず子を連れたメス達が集まります。メス達が水を飲み終わった後、一匹のオスが水場に恐る恐る近づいて、周りを伺いびくびくしながら水を飲み始めました。そこにメスの親子が近づいてくると、オスはすぐ逃げるように水場を譲りました。
これは、どうゆうことなのか?ビデオの中ではこのような状況になった答えは出ていません。このままでこのビデオは終わりか?という怒りまでも出てきました。
男でなくてもこの状況には、不全感を感じます。オスメスの役割が全く形成されていない不全感であり、可能性が見えないという不全感です。
>通常、戦闘行為(肉弾戦)は一日or数日で決着がつきますが、同じ相手とのニラミ合いが長期化すると兵士たちに厭戦気分が拡がって肉弾戦を回避しようとする様になり、互いに威嚇し合うだけの形式化された闘争に変わってゆきます(現在の多くのチンパンジーやニホンザルは、この状態にあります)。更に上記の如く閉鎖された小地域の様に、その様な状態が極めて長期に恒常化すると、遂にはニラミ合いさえ怪しくなり、同類闘争の圧力が極度に衰弱して、闘争を率いる首雄の存在理由も無くなって終います。<1811
まさに、この状態だと思いました。
上記のメスたちの集団は、メス10匹前後になると5匹前後の小集団に分派し別の縄張りで生きて行きます。その縄張り間では、同類闘争の圧力が極度に衰弱し首雄の役割はありません。
まるで、収束不全の状況下で目標を失った現在の男と同じようにも見えます。
私権統合が終焉した後の狭い私権の枠にこだわり活力を失う男達のように、また退職後の課題のない一対婚家庭の中の男のようでもある。
>生存圧力(自然圧力や外敵圧力)は、向こうからやってくる圧力であった。しかし、共認圧力は、期待と応望によって自分たちが作り出す圧力である。例えば解脱共認は、先ず自分から心を開いて相手に期待し応望しようとしない限り、決して形成されない。闘争共認も同じであって、先ず自分から期待し提起し応望しない限り、決して形成されない。従って、何事もまず自分から期待し応望してゆかない限り、同類圧力=共認圧力は形成されてゆかない。<実現論4_5_03
人類は原猿と違い、同類圧力=共認圧力を形成する能力を持っています。
が、私権に変わる新しい同類圧力(共認圧力)を形成しない限り未来はない。
閉鎖された環境下の原猿から、実感をもって今の人類の不全感と今後のあるべき方向性を知りました。まるで、進化したマダガスカル島の原猿が人類へ警告を発しているようです。
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