>人々は自我の充足から、共認の充足(課題・役割・規範・評価を共に認め合う充足)に意識を転換している。従って、共認充足を人間の行動基準において経済理論を組み立てる、共認経済学が必要となる。<
>共認経済学においては、お金や物は二義的存在であり、お金はあくまでも人間の活動を円滑に進めるための潤滑油の役割でしかなくなる。従って経済学の役割も、潤滑油がうまく行き渡るように制御することが目的であり、お金を増やすことやGDPの拡大は目標でも目的でもなくなる。<
最近増えている地域通貨は共認経済学に近い考えでは無いかと思います。地域通貨は2000年以降毎年増え続け2004年末には500件にもおよんでいます。貧困の消滅により私利私欲の追求を第一とた自我経済学の原理は崩壊し、共認充足を求める地域通貨が試行されています。
地域通貨は自分ができることや、自分がして欲しいことをリストに登録する。「何でもやります」とか「子供預かります」とか「話し相手になります」「おふくろの味、わけて!」「チラシを作って下さい!」という具合です。「人の役に立ちたい」「信頼できる人に頼みたい」と言った相互扶助の関係(期待と応望の関係)を「感謝料」や「満足料」と言った地域通貨で評価するのです。もうけるためではなく、人の輪に積極的にかかわるために参加するのです。人々にただ安心感や一体感を与えるのではなく、人々の間に協同や信頼の関係を築き、コミュニケーションを多様で豊かなものにするのです。システム的にはまだまだ改良する余地はあると思いますが、経済活動に「共認」を求めた事例だと思います。
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