先日、アメリカの大手マスコミCNNの報道担当者のイラク戦争に関する発言を巡って、ブログでその裏付けの有無が取りだたされ、結局「裏付けなし」で辞任に追い込まれた事件。
>身内の問題に対する報道は弱くマスコミの自浄能力の低さを露呈させた事件は数多くあるが、これに対抗する手段としてブログが今回果たした役割は非常に大きいといえる。<(85763)
確かにこの事件では、核となるブログが他の複数のブログにも呼びかけをして事実の収集が行われたそうで、ネットによる事実追求の新たな可能性を感じます。
ただ、そこで行われた事実をめぐる闘争の中身と、ブログによる事実追求という方法論とは分けて考える必要があると思います。
>米国のブログ事情に詳しい明治大学政経学部の竹下俊郎教授(マスコミ論)は今回の辞任劇について「新聞やテレビは不特定多数に発信するが、従来は直接にフィードバックを受ける機会はなかった。とくにブログを作っているのが、情報源ともなる政治に強い関心を持つ人々やジャーナリストなど半ば身内のような存在だ。それにたたかれたことで想像以上の影響力を持ったのではないか」とし、ブログの強さというより、マスコミの弱腰を指摘。「今後、マスコミがブログとの付き合い方を学習していくと思う」と話す。<(東京新聞「CNNに勝った?ブログ」リンクより)
という指摘にもあるように、マスコミが無視できない特定の人々(ライバルなど)によって運営されていたブログからの攻撃だからこそ当のCNNも逃げられなかったとも言え、今回の事実を巡る闘争は、最近の日本におけるNHK対朝日新聞あるいは某週刊誌対創価学会と同じようなマスコミ間(=ガタガタになった統合階級の身内間)の勢力闘争の色彩が強いと思われます。
とはいえ、掲示板に参加して事実を積み上げていくという手法に対して、ブログ間のネットワークを通じて事実を積み上げていくという手法が現実社会に衝撃を与えたという事実は、ネット界における共認形成の新たな方法論の視点から見てかなり可能性を感じさせる出来事だと思いました。 |
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