>性幻想を高める為の毛織物やレースをはじめとして、私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想がはびこり、生活全般に亙って快美(快適さや便利さ)を求める快美欠乏が上昇してゆくにつれて、その幻想共認が作り出す価格格差をテコとする市場はどんどん繁殖してゆく。
そして次には、その生産効率を上げる為の科学技術が発達してゆき、市場の拡大競争が生み出した侵略戦争→軍備強化への期待圧力が、その科学技術を更に大きく発展させてゆく。
この科学技術の発達による快美充足の可能性(快適さ利便さ)の実現こそ、中後期の市場拡大の原動力である。(30709)
私権圧力からの脱出可能性としての市場の拡大と私権圧力から生じる解脱欠乏を元にした快美欠乏・快美幻想によって市場が繁殖してきたという事実から、豊かさを実現し私権圧力が衰弱している今の日本においては今後の市場経済の縮小は不可避だと判断されます。なお、日本においては私権の衰弱以外にも、人口の減少、特に労働人口の現象と非労働人口の増加は市場の縮小を確実なものとしています。
ここで、世界市場の動向を私権圧力の衰弱や(解脱欠乏を原動力とする)快美欠乏の観点で分析してみたいと思います。
世界的には(日本と比較して)まだまだ序列が残存し、軍事力に代表されるように国家間レベルの(駆け引きといって良い)私権圧力が強く残っていると評価されますが、大きな流れとしては、米ソ冷戦時代は終演し、明らかに軍事力に変わって国家経済が国力を図る指標となってきています。このことは、各国が経済的な豊かさを第一指標として追求していることを意味しますので、そう遠くない将来に今の日本に見られるような豊かさの実現→私権の衰弱傾向が強まると思われます(但し、国民体質や文化の違いもあり、日本ほど明確な私権衰弱には至らないと思われます)。
さらに価格格差の観点では、先進国間での価格差はより縮小し、希少価値的な幻想価格は情報化と入手のしやすさから急速に下落してくる可能性が高いと思います。例えば、ヴィトン、エルメス等に代表される明らかな幻想価格品も市場に出回れば出回るほどいずれは実質価格近くまで落ち込むでしょうし、IT関連も既にパソコン市場が価格破壊を起こしているのと同様に長くはもたないでしょう。パソコンも何か新しいことができるという幻想によって多少高くても売れてきましたが、多くの人がパソコンに対する幻想に気付き(実態を知って)、実質的な価格評価をしてきています。それ故の価格破壊現象と考えられます。
このように先進国の多くが市場の縮小に向かわざるを得ない状況に陥ると思われます。 |
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