私権社会の婚姻制
84435 恋愛、一対婚の根幹ともいえる貞操観念の成り立ち
 
斎藤一浩 ( 40 東京 建築士 ) 05/01/22 PM10 【印刷用へ
路上なんで屋で、恋愛や結婚のお題は良く選ばれます。
この中で、「やっぱり本当の男女関係は一人じゃなきゃいけない」という固定観念の根強さをいつも感じています。
この一対一の根幹にある観念は「あなただけ」「私だけ」という独占意識であると同時に、貞操観念の影響も大きいと考えられます。

貞操観念とは、「貞操」=「男女が互いに、異性関係の純潔を守ること。多く女性の男性に対する純潔をいう。」(三省堂提供「大辞林」より)観念であり、この最たるものが「処女」であると多くの方が認識していると思う。

「夜這い婚と一対婚の攻防」この時代の中で、この「処女」をどのように認識していたか整理してみたい。

夜這い規範の村落共同体においては、初潮を迎えると、村の中で信頼されている男に水揚げを依頼し、性教育を受けて一人前の娘となる。
この水揚げの依頼を受けた男は、その後も末永く良き相談相手となっていたようである。
貞操観念の中でよく言われる「大切なもの」等の、「処女」に対する価値観念はなく、成長過程における過渡的な状態を示したものでしかない。水揚げという行為も、男子であれば「筆おろし」となり、「元服」同様、儀式の一つと認識していた。

一方、この時代においても、遊郭、女郎宿においては「処女」は、高値で売れていたが、一般的な認識ではなく(=多くの庶民は認識していない)、町や宿場における、非日常的な認識であったといえる。
これが、明治維新以降、明治政府が村社会の夜這い婚を弾圧する中で、一対婚制度の普及と供に「大切なもの」としての「処女」が、貞操観念という価値観の代表となり、町社会から浸透していく。
欧米列強に抗する「富国強兵・殖産興業政策」の為の「国民の知識向上と文化形成」の一貫である。

この転換期には、相当の夜這い婚弾圧に抗う地域は相当数に昇り、その後も、地方の村落共同体的村落においては、戦前まで夜這い婚の風俗は残存していたという記録からみても、庶民意識はなかなか受け入れられるものではなかったようである。

これは、庶民は夜這い婚の制度を望んでいたにもかかわらず、富国強兵政策の為に一対婚規範へ洗脳されていったと言えるのではないか?
「貞操観念」を代表とする、「一対規範」、「処女性」しかり「恋愛」幻想等はこの洗脳の名残と言って良いと思います。
 
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