>この自我回路が生み出すのは、全て「現実には与えられない期待や評価」の代替充足物であり、従って全てが実在しない幻想です。また「与えてくれない」相手や集団に対する他者否定と自己正当化の塊なので、共認の敵対者とも破壊者ともなる危険性を秘めており、言わば共認機能が生み出した鬼っ子です。
仕事の局面でもよく遭遇するのが利害が対立する場面では自我の塊になる経験をします。
大抵の場合は依頼主がいて目的とする課題に対して多くの関係者がいる。その課題を実現するためにそれぞれが連携を保ちながら、期待に応た得るべく協力してことにあたるのですが、途中には目的遂行に支障を及ぼすような様々な問題が発生しています。
現代での仕事は金銭に直結し、また契約社会ですので問題がすぐに損得に影響し、強いてはその事でそれぞれ関わったものの評価に結びつく訳ですから、おいおい、協力者が敵対者に一挙に代わることがあります。
まさに他者否定の共認機能が失われる場面です。
こんな場面では他者否定をして自己が救われると考えるわけですが、目的遂行には何の役には立たないばかりか、協力相手も同様に責任のなすりあいに興じてしまい、問題の対象を忘れて混乱に陥ることになってしまいます。
この自我回路の持つ問題性を冷静に見つめて、問題の事象がどんなことで発生し、どんな原因か、その背景はと・・対象を深く探る姿勢がまず必要であろうし、また仮に相手が他者否定の態度からつっかかって来ようとも、その問題意識から掘り起こすことで、共認を獲得することが解決の第一の突破口であることを認識したしだいです。 |
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