採集・漁撈・狩猟から栽培・牧畜・遊牧へ
83905 西アジアの地形特性
 
高田康史 ( 27 茨城 建築士 ) 05/01/12 AM03 【印刷用へ
実言論やるいネットの投稿で明らかなように、人類の掠奪闘争は、小集団で移動する遊牧部族に端を発しています。
しかし、狩猟・農耕→栽培・牧畜→遊牧というように、それぞれの生産様式の発生起源、移り変わる過程に関しては、まだまだ事実追求する必要があると思います。

まずは、当時の人類に働いていた外圧=自然圧力(地形特性や気候風土)がどのようなものであったかを具体的に明らかにしていくことが、より事実に近づく道だと思います。

そこで、遊牧→掠奪闘争の起源と言われている西アジアの地形特性を調べてみました。

西アジアの地形特性といえば、真っ先に砂漠のイメージばかり先行してしまいますが、よくよく調べてみると、砂漠の周囲に山岳や高原、丘陵や渓谷等、かなり複雑な地形特性をしています。

以下、(「ムギとヒツジの考古学」 藤井純夫著 同成社)引用

>西アジアの地形は、北側の山岳・高原地帯と南側の丘陵・平原地帯の二つに大別できる。
現在の国名でいうと、前者はトルコやイラン、後者はシリア・イラク・湾岸諸国などに相当している。

■北側の地形特色
>北側部分の地形は、東西方向に延びる4つの山脈を基準に考えるとわかりやすい。まず、西アジアの北限を形成する障壁として、ポントス・エルブスの両山脈がある。トルコとイランの北端を緑取っているのが、この2つの山脈である。これとほぼ並行して、タウルス・ザクロスの両山脈が、それぞれの国の南端または南西端を緑取っている。この4つの山脈のうち西側の2つに挟まれているのが、アナトリア高原である。一方、東側の2つの山脈が取り囲んでいるのが、イラン高原である。

■南側の地形特色
>メソポタミアやシリアの丘陵・平原地帯は、これらの山脈郡によって西側を囲まれ、また前述のタウラス・ザクロス両山脈によって北と東を囲まれた、広大な平坦地ということができよう。
(中略)
>南側の丘陵・平原地帯のもうひとつの特徴となっているのが、ヨルダン渓谷である。南のアカバ湾から始まって、ワディ=アラバ、死海、ヨルダン川、ガリラヤ湖、フーレー湖、ベッカー高原、オロンテス河、ガープ低地、さらにはトルコ南東部のアフリン渓谷にまで達するこの大地溝帯、南北で大きく異なる西アジアの地形に対して、さらに東西方向の多様性を与えている。

>そのことは、イスラエルからイラン高原までの約2000kmを一直線に駆け抜けてみると実感できるであろう。最初にイスラエルの海岸平野、次にガリラヤ・サマリアなどの緩やかな山地、ここから大きく落ち込んでヨルダン渓谷、ふたたび急上昇してヨルダンの山岳部、これを抜けるとトランスヨルダンのステップ・砂漠地帯をメソポタミアまで緩やかに下降し、ザグロス山脈にぶつかってふたたび急上昇、それを降りてようやくイラン高原である。最後に、エルブルズ山脈を上下して、カスピ海の沿岸に出る。

このように、西アジアの地形特性はかなり変化に富んでいると言えます。
そもそも、砂漠は単独に形成・維持されることはありえず、その周囲に砂漠以外の地形が併存するということは明らかです。
ということは当然気候も一様ではありません。
どうやら、地形の複雑さが西アジアの気候に意外な多様性を与えているようです。

また、人類の掠奪闘争を引き起こした遊牧生産が、地形・気候とどのような相関関係にあるのか?を今後明らかにしていこうと考えています。
 
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