原始共同体社会
83258 婚姻様式が多様だったのは何でだろう?
 
細田卓司 ( 53 香川 現場監理 ) 04/12/27 PM08 【印刷用へ
豊穣でありながら、巨大な自然の力を見せ付けるモンスーン型の風土での闘争圧力が高くなく、能力ヒエラルキー格差が付きにくい平準な(漁労/採取→農耕)部族の総偶婚。

海も山も自然の恵みは貧弱ながら、自然は比較的温順な地中海沿岸から北西ヨーロッパの森林に適応して強い闘争圧力と集団統合力を持つ狩猟部族の勇士集中婚(勇士婿取り婚)。

砂漠型の風土に適応した男原理の父系集団、遊牧部族の私有婚。 28378より


都市国家が成立する文明時代以前の人類には、その生きている風土に応じて部族ごとに多様な婚姻様式がありました。
そして近代以降も、工業化した欧米諸国や都市部以外の地球の辺境部には20世紀初頭ごろ(所によっては20世紀半ば)までそのような部族が残存していました。

生業の様式は、それぞれの風土に拡散した人類の集団がそこで生きる続ける為に、その集団の何代もの工夫や知恵の集積のようなものとして成立していたのでしょう。
人類の集団が生きつづける為には、採取、狩猟,漁労,牧畜,遊牧,農耕・・あるいはそれらの組み合わせなどの風土の中で生きていく為の糧を得るという闘争系の課題と、集団が存続しつづける為の生殖系の課題が最重要の集団課題となります。
この二つの課題は、集団の生死を左右するいう点で最重要であるだけでなく不即不離の関係にあります。この二つの課題を矛盾無く最適に解決する為に規範が共認され、役割が共認され、集団が統合されるということになります。
この規範とは、狩猟の仕方や農耕のやりかたはもちろん調理の仕方や衣服や住居の作り方,仲間(家族)たちの呼び名、さらには祭りの歌の歌い方、伝承の語り方まで生活のあらゆるものに行き渡る部族の知恵の結晶のようなものでみんなが自然に行うものなのでしょう。その中に重要な規範として婚姻規範=婚姻様式がありました。

28378で岡本さんが極めて大きく婚姻様式を類型化していますが、同じモンスーン型の風土の総偶婚は、同一氏族内での兄妹婚、他氏族との交差総遇婚に大別されます。さらに兄妹婚には日本の農村に見られた同一村内での村内婚(=夜這い婚)、平安貴族の妻問い婚(これは婿取り婚 ちょっと違うかもしれないが兄妹婚の習俗を色濃く残している)などがあり、交差婚としては日本のクナド婚(村外婚),東南アジアや南太平洋各地にあった複雑な婚姻班の編成を持つ交差いとこ婚などがあります。

これらは,部族,氏族の中では当然の規範として整然と行われているのだけれど、異文化の部外者から見ると極めて奇異に写る。レヴィ-ストロースらが交差いとこ婚の構造を”発見”するまでは,西洋人たちはこれらを,乱婚と呼んでいました。


>夜這いというのは、ムラで一人前に育った男と女との性生活を、どうして維持したら最も矛盾が少なくできるだろうかという実践的方法論である。したがって、そのムラの創成の歴史、社会構造の基盤、住民の意識構造の違いによって、いろいろ変化するのが当然であった。厳密にいえば、一つとして同じものはないことになる。2795

日本の村内婚である夜這い婚だけでも村ごとにその様式は異なっていました。

集団ごとにさまざまな婚姻様式あったのは、それぞれの部族,氏族共同体が世代を超えて生き長らえてきた歴史,経緯がその婚姻様式に刻み込まれているからであり、それぞれの婚姻規範の共認はその集団を生かし続けた知恵の集積への共認でありそれぞれの集団の活力源=生命そのものであったからであると思う。
 
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