>真の共同体は「一人が欠けても、一人が多すぎてもならぬ。不分割な一体なのである。そして、それは、生産手段もまた不分割であること、分割してもしょうがなく、分割する要もなく、分割できぬものである」
このような共同体においては、仰るように各成員の信頼関係や結びつきは大変深かったように思います。現在の親子関係では到底築くことの出来ない結びつきであると思われます。
しかし、このような関係を現在の家庭から作り出すといったことは、ある意味絶対不可能ではないように思います。
例えば、匠といった日本古来の技を伝えるような世界では、施主制といった親方弟子の関係が親子関係において成り立っていたりする場合もあるし、匠とまで行かなくても自営業の息子が跡を継ぐといったときにも少なくとも解脱でしか拠り所を求める普通の親子関係よりは課題や闘争といった共通課題が入り込んでいると思われます。
ただ、残念なことに現在においては私権の枠組みにおける関係なのでどうしても「自分の」「自分たちの」といった私有が関係している分、共同体というには遠い存在であると思います。
しかし、このような世界が我々の中で肯定視できるのであれば、いきなり昔の村落共同体に戻らなくとも、ここから、新しい親子関係の構築は可能ではないかと思います。
皆さんから提案されている「農業と子育て」や「共同体運動」など現在の既存集団から共同体への転換には可能性を感じています。
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