>ポストカードに留まらず、心の潤いを求めた需要というのは着実に存在している。美容・健康志向やペット需要などもそう。(77001)
美容師とアパレル業界で働く若い男二人組みが露店に来ました。彼らとの話から、これらの業界も“答え”の供給者が求められているのだと知り、大きな驚きを得ました。
美容師の話によると「今、美容院に来る客のうち、純粋にカットやカラーリングの技術を求めてくる客は2割前後で、その他の多くの客は、理容師との会話の中身や店(全体)が与えてくれる雰囲気を求めて来ている。以前、“カリスマ美容師”が流行った頃は技術重視の傾向はあったが、最近、客が求めている需要の中身が大きく変質してきている。だから、客の持つ悩みに応えたり、客を癒せる言葉を的確に投げかけられるか否かが、次回以降リピーターにしていけるかどうかの主要なポイントである。」
「かと言っても、客が技術軽視している訳ではないので、閉店後夜2時頃迄は毎日トレーニングをしているが、技術を身に付けただけでは競争の激しいこの業界で生き残っていけない。この露店にあるカードの言葉は、客との会話に大いに参考になるので使わせてもらう。」と、言うのです。技術にしか目が行かない者は、いつか店から居なくなるようです。
彼らが露店の前を通りかかり、カードを繁々と読み込んでいた理由が漸く理解できました。そして「なんで屋やっているのは何で?」の答えを聞いた後で、「美容とは、見た目の美しさだけでなく、心の美(=活力)を整えていくことが仕事である以上、活力再生を目指す“なんで屋”と目指す方向は一緒だ。」と言う返答に、世間知らずを反省すると共に、何だか非常に心地良い気持ちになりました。さらに「美容師も腕だけでなく、頭使わないと生きていけない。だから、移り変わる町の動きや、世間にいつも注目し、勉強している。」という言葉が、自分も頑張らねば、という気にさせてくれました。
この美容業界も、高齢化社会到来に向けた需要拡大の目的で福祉の世界にも参入しています。高齢者の持つ悩みに答え、老人の活力を再生してあげることが、生き残りのキーポイントだと、彼は言い切っています。
“答え”の供給者がここにも居たのか、と気付くと共に、なんで屋ネットワークの拡大可能性を大いに感じます。
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