最近の小学校では、一人の同級生を選んで、「・・・さんの良いところを作文にしなさい」という授業しているようです。そこで出てきたのは「・・・さんは○○が上手です」「△△ができて良いです」といった、表層的で批評家のような作文でした。
もしも、「・・・さんがいてくれて『ありがとう』と思ったときのことを作文にしなさい」というお題にしたら、恐らく、小学校3・4年生でも懸命に相手の意識を想像し、もっと共感を呼ぶ作文が書けるような気がします。
人は共認動物だから、相手の気持ちを想像することができる。
相手の気持ちを想像するとは、相手と共感→同化する試みである。
そして、自分と相手の意識の差異が認識できたときに、相手に対する「ありがたい存在」という思いと、自分の自我の罪悪に気付き、
「こんなにやってくれるなんて申し訳ない、そして、ありがとう」
「気持ちを分からなくて申し訳ない、そんな自分にここまでしてくれてありがとう」
という気持ちになるのだと思う。
単なる批評家ではなく、また、自分だけに意識を向けるのでもなく、自分の意識を相手の意識に同化させることを常に試み、いつも、相手のことを「ありがたい存在」と思っていたい、と思う。
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