国債経済とその破綻(大破局の予感)
69851 「国の借金が700兆もできたのは何で?」は、新理論の有用性を示す、推奨お題
 
冨田彰男 ( 40 兵庫 経営管理 ) 04/04/04 PM10 【印刷用へ
なんでや露店で「国の借金が700兆もできたのは、何で?」というお題を、私は苦手としていた。原因分析はそこそこできる。学者・官僚・マスコミ・政治家といった統合階級は、「市場拡大は絶対」というGDP信仰に基づき、借金を重ねて作った支援金を注入して、無理やり市場を拡大させてきたからだ。私が困ったのは、「では、既にある700兆もの借金は、どうすればいい?」という点だ。この問題に明確な答えが出せなかったために、「国の借金700兆」というお題に今一自信が持てなかった。

先日のなんでや劇場で、このお題が取り上げられた。

@国債を発行しているのは国家。紙幣を発行しているのは日本銀行。国債を買っているのは、銀行・生保などの金融機関。日銀は金融機関に融資することで、国債購入資金を融通している。突き詰めれば、紙幣を発行する日銀が、国家の発行した国債を買っているのと同じ。国家(国債の発行)と日銀(紙幣の発行)が分離しているから、国家の借金として計上されるのであって、国家紙幣を発行すれば、借金は借金でなくなり、単に、紙幣流通量が増えるだけ。

A貧困・物不足で、人々の物的欠乏が強い時代は、紙幣をばら撒けばインフレになったが、貧困から脱し「欲しい物は特にない」状態の日本では、紙幣量を増やしても、インフレは起こらない。

Bインフレが起こらないとすれば、元々、お金の本質的な機能は、生産・消費活動の活性剤だから、活動を活性化させるために、紙幣量を増やすことに問題はない。国家がどの活動に支援金を注ぎ込むかによって、生産・消費活動の方向、あるいは、社会の活力は決まる。市場の閉塞状況は、物的消費活動から類的活動(社会不全に応える活動)に支援金を転換させることによって突破できる。(69542 69586参照)しかも、これは発想を切り替えさせすれば、今すぐにでも実現可能である。

「目から鱗」だった。これなら、今まで不可能に思えていた「700兆の借金をどうするか?」という問題も突破できそうだ。また、認識を転換すれば、いろんなアイデアも湧いてくる。69181に「可能性のある企業を共同体に変えていきたい」という投稿があるが、現在、銀行からの貸し渋りで、融資を受けられずに倒産していく中小企業が一杯ある。例えば、中小企業群が協働化・共同体化した場合、支援金を出すということにすれば、この問題は解決するとともに、企業の共同体化が一気に進むのではないかと思う。現実に役に立つ認識というのは、こういうものなのだ。

必要なのは、認識(発想)を転換することと、その共認を広げることだけ。逆に、「市場拡大は絶対」「紙幣をばら撒けばインフレが起こる」といった古い経済理論に凝り固まった統合階級には、こういう発想はできないと思う。このお題一つとっても、旧観念こそ閉塞の元凶であることがよくわかる。また、新しい認識を共認できれば、突破できない問題はないと思えてくる。「国の借金700兆」が苦手お題から、新しい認識による共認形成が、あらゆる問題の突破口であることを端的に示す、お奨めお題に変わりそうだ。

 
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