否定脳(旧観念)からの脱却
69561 「個人の自由」の哀れな末路
 
阪本剛 HP ( 30 千葉 SE ) 04/03/29 PM10 【印刷用へ
> この状況は日本も似たようなもので、生活保護、年金、老人医療費、大学に対する補助金、専業主婦に対する税制優遇等々、老人、福祉受給者、学生、主婦といった働かない人への支援金が増大し、国の借金が雪だるま式に増えています。(69542

 先日のなんでや劇場では「年金が国家ぐるみのネズミ講って、本当?」がテーマだった。

 かつて共同体が機能していた時代は、たとえ年老い体が動けなくとも、蓄積した経験と智恵によってみんなの役に立つこと=仕事をすることが可能だった。その仕事の中身は、集団や地域の課題を担う統合の仕事、いわば「統業」である。普通の人々が統業を担うことを期待されていた、ということでもあった。

 しかし、市場社会化が進行し、「個人の自由」が絶対化されるようになる。すると、「個人」に対する妨害物として共同体は破壊される。あらゆる人々は、生産基盤を持たない、自分の労働力を切り売りするしか生きることができない労働者=サラリーマンになった。

 さて、個人の自由を叫び続けて辿り着いたのはどんな世界だったか?
  
 誰もが必ず老いる。すると、家庭からも企業からも役立たず扱い、邪魔者扱いされる。
 ついには、福祉施設、老人ホームに押し込まれ、社会的関係からも、あらゆる生産的活動からも遮断される。これは強制収容所と同じである。

 老人となった労働者は生産手段がないのだから、自分の仕事がなくなれば、食べていくことができない。だから、年金にすがりつくしかなくなる。しかし、働いていない=返す人間はだれもいないのだから、年金は永遠に赤字のままである。若者からは年金をもらうことで、やはり目の上のたんこぶ、重荷だとしか思われない。

 こうして、役割のない人々を養うためのお金としての年金の赤字は積もり積もって400兆円になったのだ。
 個人の自由を追求した結果待っていたのは、最終的には誰からも疎ましく思われ、誰からも期待されず、社会の足枷だとしか思われなくなる、そういう社会だったのだ。

 この社会を変えるには、やるべきことが2つある。
 一つは、共同体を復活させることである。
 もう一つは、人々が誰もが担っていた「統業」を、万人の手に取り戻すことである。真っ当な生産活動として、誰もが担うことである。それ以外に、地獄のような世界を変える方法はないのだ。


 
List
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_69561
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
157970 個人を単位とする社会の、結末 西知子 07/07/30 PM09
「年金問題」の本質 「晴耕雨読」 07/07/26 PM02
155666 昔は普通の人々が教師(統業)を担うことが期待されていた 志水満 07/06/30 AM00
154973 定年のない共同体 花筏 07/06/22 AM11
129093 個人主義の行き着いた先から共同体化へ向かう条件は 佐藤晴彦 06/08/26 PM11
129084 鍵を握るのは団塊の世代 大森義也 06/08/26 PM10
年金って何? 「なんで屋@奈良」 06/05/08 PM10
111938 共同体の提示 マー 06/05/07 AM09
109966 期待応望の共同社会の実現 匿名希望 06/04/26 PM01
「高齢者」という旧観念!? 「なんで屋@奈良」 06/02/20 PM10
104638 会社には定年があるが、社会に定年は無い! 越見源 06/01/26 PM10
104304 高齢者の役割について。 猪原裕子 06/01/20 PM01
定年年齢延長にも見られる私権統合者の意識 「開放空間「THE ROTEN」」 06/01/13 AM08
アメリカ医療の現実 「開放空間「THE ROTEN」」 05/12/24 AM10
102914 活力は与えられるものではなく、自ら作り出すもの 山上勝義 05/12/20 PM10
介護サービスに導入される小手先だけの表層的評価獲得競争 「開放空間「THE ROTEN」」 05/10/22 AM08
99357 「助け合いの仕組み」って本当? 峯川満章 05/10/19 AM00
98922 年金問題への関心は深いところでの私権社会への懐疑ではないか? 田野健 05/10/11 PM10
98553 万人が「統業」を担うべき時代が来た 越見源 05/10/05 PM09
98505 地獄のような社会を叩き潰すために ブルマン 05/10/05 AM00
98308 年金制度の放棄〜「生きる」は「役割」という視点 斎藤裕一 05/10/01 PM10
98259 高齢者の役割の最初は自戒から始めなければならない 田野健 05/10/01 AM01
97998 社会の期待 末吉孝子 05/09/27 PM10
95973 誰もが存在理由を求めている。 前上英二 05/08/13 PM11
日常的に・意識的に統業・構造認識の必要性を語る 「開放空間「THE ROTEN」」 05/07/05 PM10
いまや私権企業ですら統業の必要性を認めだした 「開放空間「THE ROTEN」」 05/07/03 PM09
『誰も統業を担わなくなった』 「開放空間「THE ROTEN」」 05/07/01 PM07
全ての社会問題の裏に「万人からの統業の剥奪」がある 「開放空間「THE ROTEN」」 05/06/30 PM07
高齢者は仲間を守る存在で生産活動の指導者 「開放空間「THE ROTEN」」 05/06/19 PM11
高齢者問題の根底に邪魔者共認が存在する 「開放空間「THE ROTEN」」 05/06/18 PM06
「高齢者問題」は社会問題 「開放空間「THE ROTEN」」 05/06/16 PM07
90273 定年制度 田中素 05/05/09 AM03
88888 高齢者も共に生きられる社会を 匿名希望 05/04/15 PM02
85111 今や高齢者は、無理追いやられた需要者 関谷啓太郎 05/02/04 AM00
85088 老人の役割や課題を皆で作り出していこう! 芝田琢也 05/02/03 PM09
83586 助け合わない社会 齊藤直 05/01/04 PM00
82950 元気な高齢者になるために 馬場康一郎 04/12/21 PM11
82949 老人の役割=活力再生は、やはり組織化から 宮本昇 04/12/21 PM11
81494 年金制度の本質問題を検証する 田中素 04/11/25 PM07
70068 「個人の自由」追求は生きる意味を解体した 浅野雅義 04/04/09 PM10
70044 政治家を目指すなら「なんでや」! 熊谷順治 04/04/09 AM01
70015 「個人の自由」は全面的人格否定用語 佐藤英幸 04/04/08 PM09
69985 死ぬまでみんなの役にたつことが出来るということ 近藤文人 04/04/07 PM10
69832 国の都合で振り回されたくない 金岡景太 04/04/04 AM02
69804 GDPに現れない価値 高橋克己 04/04/03 PM09
69712 旧観念は人間疎外の元凶(旧観念の犯罪性) 丸一浩 04/04/01 PM10
69710 自由とは都合の良い統合軸 齊藤直 04/04/01 PM09
69675 「自由」を騙る掠奪闘争 小西康雄 04/03/31 PM11
69667 共同体の再生が急がれる 前山修司 04/03/31 PM10
69650 均質な金ではなく、明確な役割を配分する 匿名希望 04/03/31 PM09
69642 「遊んでいても、実は盛り上がれてない」という状況認識を明確にする。 佐々木健二 04/03/31 PM07
69637 社会をみんなの手に取り戻したい 久保田彰子 04/03/31 AM08
69581 国の借金がふくらむ原因 矢ヶ崎裕 04/03/29 PM11
69577 寿命の最後まで人は充足していたと思う 斎藤一浩 04/03/29 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp