露店という新しいやり方の出現によって、関西や関東の街ではみなさんがたくさんの共認(充足)域を生み出している。しかし露店なら交流会と違って、少しでも人通りのある場所なら全国のどんな街だって出来る。
>「露店全国展開で社会統合」(61698:松尾さん)
何という大きな可能性だろう!..僕は愛知県に住んでいるので、早速先日、認識仲間と名古屋の街に露店を出してみた。
選んだ場所は金山という駅前の広場で、以前からストリート・パフォーマー達がよく集まっている場所であり、僕はるいネットや交流会のことを知る前から、この駅を通るたびに、彼らを見て「何だか、いい雰囲気だなあ..」と漠然とした惹かれる気持ち(話しかけてみたい、自分もやってみたいとまではいかないけれど、それに近い)を感じていたように思う。
薄暗くなりだす少し前、他にも音楽・ポストカード・言葉売りなどたくさんのパフォーマー達がそれぞれに出し物を構えている中に、早速座り込んでみた。数分した頃だろうか、少し離れた場所で、手作りの和風の小物や布などを売っていた女の子が、「(ここの広場では)新顔だけど..何を売ってるんですか、ここ??」と興味深々でのぞいてきた。趣旨を話すと、「じゃあ、これ!」と【若者の離職&フリーター志向は何でだろう?】のカードを選び、話が始まった。
彼女は、一度は就職したのだが、会社で働くことに活力を感じられず、今では会社を辞め、かねてから「やってみたい!」と思っていたストリートをこの金山駅前で一ヶ月前からやっているらしい。最早彼女にとって、「離職&フリーター」は自身の実感&体験にもシックリくる至極当然の現象であり、それよりもむしろ「未だに大学→企業というレール」の上を(表面的には)なんの疑問も無く進んでいける若者がいるという事の方が「何でだろう??」と不思議がっていた。
職にあぶれた「プータロー」→夢や目標に向かって一時期の「フリーター」とイメージが徐々に良くなってきて、今日では「特にやりたい事も見つからずに」という「何となくフリーター」が主流だよね〜という話を出したら、なんと彼女の方から「じゃあ、その次には何が来ると思いますか〜?」という質問をされた。急な問いに、僕達がちょっと考え込んだら、彼女は目を輝かせて、間髪入れずにこんな即答をした。
「私、それはこの<路上>じゃないかって思います!!私自身もどうしても路上がやりたくて会社を辞めたし、現にあなた達だって、何か可能性を感じるから、今日ここに来たんですよね?実際、本当についここ最近で金山に路上やりに来る人が一気に増えたんです。目の前でお客さんが自分のつくった物を見たり、買ってくれたり、その人とお話したりする楽しみは何物にも換えられないです!ひどい時なんかはお客さんが三日に一人、とかありますけど。私の路上仲間でスゴイ先輩がいて、一緒に売り物のディスプレイの工夫とかを相談し合ったり、<どうしたらお客さん来てくれるかな?>って。たまにちょっと早い時間に来過ぎてポツンとやってる時とか、すごく不安なんですけど、そのうち他の人達がやって来てそれぞれに始めだすと、<ああ今日もみんないるな、>ってすごく安心するんです。だから、こんなに楽しい路上には、参加してくる若者もこれからどんどん増えていって、次に来る時代は、絶対に路上の時代だと思います!!」
..これ程までとは正直思ってもいなかった。認識露店を出すからには、路上で出会う色んな人達に対して、「どう切り出せば分かりやすく<路上の可能性>について気付きを与えられるのか?」そんな意識で凝り固まっていた「思い込み」が、僕の中で音を立てて崩れていった。本当にイキイキと話す彼女の実感度100点満点の話に、驚きつつもうなずく僕の充足感も、一気に最高潮に達した。とある先輩の方が、僕にこんな話をしてくれたのを思い出した。
「るいネットの構造認識は、あくまでもこの現実世界を様々な角度から切り出す<道具>だよね。どれとどれを使ったら、最も鋭く切り込めるのか。だから露店でも、認識という道具をいくつ持っているか云々より以前に、<お客さんとの同一視の中で一緒に現実を切っていこう!>とする姿勢を持つ事の方がもっと大事なんじゃないかな。現実は、どんどん変化していく。だから、それに合わせて<実現論>もどんどん変化していくもの。決して僕達のバイブルなんかじゃないはずだろう?」
>路上に座り込むという行為は、日頃のしがらみや上下関係から一切自由に、同じ時代を生き、同じ時代の空気を吸う人間達を身近に感じ、一体であるかのような感覚をもたらしてくれる(60966:越見さん)
本当に、そう思う。そしてまさに、路上は全国の「どこにでもある」。関西・関東から遠く離れたこの名古屋の街にも、こんなにも「路上の可能性」で胸をいっぱいにしている普通の女の子がいた!ぜひとも、「何でだろう?」という共認充足を売り出す露店活動を、習慣化させて、「街の日常の姿」に少しでも近付けていきたい。 |
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