■合同板
秀作記事
佳作記事
全記事
検索
全記事
●20科目72講座一覧
■科目板
必読
秀作
佳作
全部
否定脳(旧観念)からの脱却
必
秀
佳
全
新理論(構造認識)を塗り重ねてゆく
必
秀
佳
全
意識と脳回路
必
秀
佳
全
科学・宇宙・地球
必
秀
佳
全
生物史と自然の摂理
必
秀
佳
全
サル・人類史
必
秀
佳
全
原始共同体社会
必
秀
佳
全
日本人の起源と縄文体質
必
秀
佳
全
戦争と国家の起源:私権原理
必
秀
佳
全
市場原理と金貸し支配
必
秀
佳
全
市場拡大→世界大戦・環境破壊
必
秀
佳
全
’70年貧困の消滅と支配階級の暴走
必
秀
佳
全
学者とマスコミによる共認支配
必
秀
佳
全
アメリカ支配と官僚支配
必
秀
佳
全
原発・地震・気象・環境
必
秀
佳
全
農業・食品・健康・医療
必
秀
佳
全
性・婚姻・家族
必
秀
佳
全
子育て・能力形成(家庭・学校・企業)
必
秀
佳
全
現代意識潮流を探る
必
秀
佳
全
日本再生・共同体社会の実現
必
秀
佳
全
◇付属メニュー
毎週配信
メルマガ・るい
厳選秀作集&出版サービス
お勧めサイト(ランキング)
便利データサイト
注目書籍
ブログからの最新TB一覧
るいネットからの最新TB一覧
厳選○サイト
生物学を切開する
59
遺伝子の共同体
四方勢至
( 老年 京都 編集 )
01/02/10 PM10 【
印刷用へ
】
真っ当な分子生物学者なら、生物の維持と進化の単位(主体)を、一つの細胞内に存在する全DNA(人間の場合、この全DNAの中に約十万の遺伝子が組み込まれている)orゲノムに置くだろう。その根拠は、少なくとも二つある。(補。細胞質遺伝etc.DNA変異によらない、全く別の進化様式が存在することは、間違いないと私は考えていますが、ここでは便宣的にDNA方式に限定して、話を進めます。)
まず第一に、一個の遺伝子が単独に働くことは在り得ない。どの遺伝子も数十、数百、数千の他の遺伝子群と連鎖的に化学反応を起こしてはじめて何らかの働きを持ったアミノ酸や蛋白質を作り出すことが出来る。しかし、そうして作り出された一つの蛋白質だけでは、生命を維持することは出来ない。結局、十万の遺伝子が緊密に連動し、協働してはじめて生物は維持され、進化してゆく。要するに全DNA(ゲノム)とは、まぎれもなく十万もの遺伝子の共同体である。
第二に、ある遺伝子が変異を起こした時、その変異遺伝子は残りの十万の遺伝子群と適応的でなければならない。もし他の遺伝子群と不適応ならば、自然環境etcによって淘汰される以前に、まず細胞内部or個体内部で修復蛋白群をはじめとする組換え系の物質群や蛋白質の致死化学反応あるいは免疫細胞によって体内淘汰されて終うだろう。従って、まず一個の遺伝子が在るのではなく、まず共同体的な遺伝子群があり、その中でのみ、かつ全遺伝子と適応的である場合にのみ、一個の遺伝子は存在し得るのである。(注:体内淘汰されない限りは適応なので、ごくまれに個体にとって有害な遺伝子が存在することも在り得る。)
第一・第二の当然の帰結として、ダーウィン的な自然淘汰は、常に全遺伝子群(ゲノム)に対して働く(正確には、全遺伝子群が作り出す、全形質に対して働く)。それが、全遺伝子の共同体を進化の単位(主体)とする根拠である。
ところで、この様なものとして存在する遺伝子or遺伝子群を、「利己的」などと形容する根拠は全くない。敢えて云えば、「協働的な遺伝子」と形容する方が遥かに適切である。もっとも、そう云った主観的な形容は、科学とは無縁な文学的表現に過ぎず、単に「遺伝子」と呼ぶのが当然の科学的な認識である。「自己」複製子などと云う表現も同様で、単に「複製子」と呼ぶのが、科学的な認識であろう。
ところが、ドーキンスはわざわざ「利己的な遺伝子」という表題をつけ、その中で何百回となく「利己的な」という形容詞をわざわざ付けまくっている。それは一体、何の為なのだろうか?それが、彼のイデオロギーでなければ、良いのだが。
シェア
Tweet
List
この記事に対するトラックバックURL http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_59
※トラックバックは承認制となっています。
この記事に対する返信とトラックバック
309030
ヒトの体内には「さまざまな他者の DNA が混合して存在している」
紺碧空
15/11/02 PM00
【共認社会の新しい農法とは?】(2)生命とはどういう存在なのか?
「新しい「農」のかたち」
10/03/16 PM06
226235
Y染色体消滅の危機
ヨネ
10/02/10 PM09
221604
進化は常に共同性の中で実現してきた(細胞レベルでも集団レベルでも)
田野健
09/12/10 AM00
221537
遺伝子<DNA<染色体<ゲノム
阿部佳容子
09/12/09 AM00
遺伝子の共同体〜進化の歴史は共同性の塗り重ね
「生物史から、自然の摂理を読み解く」
09/12/03 AM01
生命は共同性を下敷きに進化を遂げてきた
「生物史から、自然の摂理を読み解く」
09/09/22 PM07
生物の根本認識
「生物史から、自然の摂理を読み解く」
09/09/22 AM10
“生命原理”から“農”に迫る!
「新しい「農」のかたち」
09/08/31 PM11
群の中で発現する遺伝子
「生物史から、自然の摂理を読み解く」
09/08/29 AM08
204552
【図解】遺伝子の共同体
川井孝浩
09/04/17 AM04
遺伝子の共同体としてのノンコーディングRNA(non-coding RNA、ncRNA、非コードRNA)
「生物史から、自然の摂理を読み解く」
09/02/18 AM08
162985
遺伝子群の統合機能の解明の必要
長谷暢二
07/10/07 PM07
進化論の変遷 その1
「Biological Journal」
07/06/14 AM02
生物のかたちはどうやって作られる?
「Biological Journal」
07/06/12 PM10
139349
変異体の適応のために
小池祐介
06/12/05 PM10
97378
RNAが遺伝子の働きを調整する役割を担っている?
村上祥典
05/09/15 PM09
91624
「遺伝子共同体」の持つ意味、その2
吉国幹雄
05/05/28 PM09
91621
「遺伝子共同体」の持つ意味、その1
吉国幹雄
05/05/28 PM09
84559
遺伝子レベルの研究で求めたい事
匿名希望
05/01/24 PM11
73621
断片的事実と価値観念(ミトコンドリアの共生説をめぐって)
山田真寛
04/06/17 PM09
49071
「遺伝子の共同体」を実現する、RNAの働き
冨田彰男
03/02/04 PM05
[
一覧へ戻る
]
[
新しい記事へ
]
◆実現論本文を公開しています。
実現論 : 序 文
第一部 : 前 史
第二部 : 私権時代
第三部 : 市場時代
第四部 : 場の転換
参考文献
必読記事一覧
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
下記のタイトルを押して下さい。
遺伝子の共同体
「利己的な遺伝子」を切開する 1
「利己的な遺伝子」を切開する 2
雌雄分化における統合
オスメス分化の塗り重ね構造
もともと、生物には親子関係など無かった
蛋白質は多様に連鎖反応する
オス・メスの事実の確認
進化積層体の意味
原始生物の適応(1)代謝系の進化と循環系
全てを個体に還元することはできない
根源的認識の理解、免疫系に見る…その2
免疫系に見られる認識、階層と構造について、その2
HLA分子
今西錦司の自然観に対する共感
老化のメカニズム
精子と卵細胞、そして母体
連続と不連続 mt-DNA解析への疑問
「種」をめぐって「構造」と「機能」
生物多様性のなぞ、その実現構造1
生物多様性のなぞ、その実現構造2
機能進化は遺伝子の変化に直結していない。
ウィルスの変異の仕組み
@iPS細胞とは?〜ES細胞の起源〜
AiPS細胞とは?〜ドリーの誕生〜
『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:
member@rui.ne.jp
)