具体事例の一つとして、4778矢野さんの投稿に続きニューギニアのトロブリアンド島の婚姻制度を調べてみました.
トロブリアンド(諸)島では母系社会を基本としています.社会的な地位は母方から継承し、男の持っているそれは姉妹の子供に譲渡されます.ヤム芋や漁労を中心とした採集生産が中心で、狩猟、遊牧部族のような闘争性はさほど強くありません.
そうした中にあっては、むしろ女の性役規範が強化されていき、、男の性欠乏の上昇を受けて女も性欠乏を上昇させ、性機能に磨きをかけていったようです.タヒチ島等と同様、性的に自由奔放な風習が多く見られます.
例えば「カヤサ」と呼ばれる村を挙げての集会では、かなりの程度「無礼講」的な性関係が公然と行われていたようです(こうした場以外では、例えば道ばたで恋人同士がいちゃつくなどということはタブー視されている).
まず若い女たちが少年たちに声をかけ、それに応えるがはやいか、女たちは少年たちをひっかいたり、貝や竹ナイフなどで攻撃するそうです!
何とも激しい様に思えますが、少女にとってこうした暴力的な刺激を加えることが求愛のしるしであり、少年の側としても「「お気に入り」の女の子であれば少女の攻撃を招待として受け入れるのです.
また、村内での性的放縦の他に、見知らぬ客人を厚遇する風習もあります.
海を越えて来る客人に対しは、浜辺で食事が振る舞われます.村の美女たちがお盆に載せてごちそうを運んで来、料理が全て空になるまで待っています.仲良く語らい、親密さを増してくると、少女に贈り物がなされます.この贈り物を受け取ったら、少女がいとわないことの印だそうです.
こうした訪問者があれば、村の少女たちは訪問者と寝る「べき」であって、またこれに関してすでに認めあっている愛人たちが、女やましてや訪問者に制裁を加えたりすることはないそうです.
※前回投稿した「同じカマドの飯…」の風習とは違い、見知らぬ人の中で食事をするのは礼儀作法に反するとのことで、食事は部落内で与えてはならないそうです.
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