
|
|
|
53952 |
新たな世代間対立の始まり |
|
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) |
03/04/30 PM10 【】 |
|
最近学生と話している中で、いわゆる「反抗期」が復活し始めていることに気が付いた。いわゆる反抗期は例えば1960年代の「理由無き反抗」に象徴されるように、急速な都市化に伴う農村育ちの父親と都会育ちの若者との間で繰り広げられた世代間の価値対立を土台としていた。ところが都市化がトコトン進展した1980年ごろから徐々に反抗期は衰弱し始め(つまり親子間の価値観にたいした差が無くなり)特につい最近までの約10年間は親の子供に対するに対する接し方が対立を避けた迎合的なものになった事ともあいまって、親子間はいわゆる「蜜月状態」にあった。その意味でごく最近のこの変化は、ミクロな現象ながらも重要な転換である、と思う。
「反抗の復活」の直接の契機は親の押し付ける「受験勉強」に対する反発であるらしい。私権が衰弱した以上子供達は肌で、いい大学→いい学校という人生コースが最早輝きを持たないことをよく知っている。つまり親の言うことにリアリティを感じない。加えて彼らの中では仲間収束が強まっている(その典型事例は49325神家氏)。仲間課題(例えばクラブや仲間づきあい)と勉強課題は明らかに対立する。だから彼らは親が実は仲間空間に敵対する存在であることを意識する。このような親子間の意識の違いが不協和音を奏で始めたようである。私権と自分に収束していた親世代とそれから離脱しようとする若者達の間の一種の世代間闘争の復活である。
そういう目で見てみると、交流会では世代間の意識のギャップが目立つ。特にギャップが大きいのが、40・50代でかつ自分の成功体験や「このように自分は生きてきた」と、自分の生き様を自慢げに語る人たちである。自慢話に加えて、己のその人生訓なるものを若者達に勧めようものなら、多くの若い人たちはいっせいに困惑した表情を見せる。つまり中年世代の生き方やそれを支えてきた価値観が、若者達には殆どピンと来ないし、それどころか、それが否定的なものに移り始めているのだ。
考えてみれば彼ら中年世代が青年期を過ごしてきた1970年以降は、貧困という「みんな不全」が消滅していき、それに伴って人々の意識から「社会課題=みんな課題」が捨象され、ミーイズム(自分主義)がはびこっていった時代であった。そんな中で彼らは「自己実現」や「自己啓発」あるいは「輝いている自分」などの剥き出しの自分観念を人生の道標に私権課題や自分課題(遊びや趣味)や或いはマイホームに収束していった。そして過剰消費の風潮をつくり(≒環境問題をつくり)、バブルを生み(その責任もとらず)、閉塞した核家族を作り出したのは正しくこの世代そのものなのである。つまり時代閉塞を直接生み出した張本人そのものともいえる。
もはや若者達は私権に収束できないことも、家庭が閉塞していることも、肉体的によく知っている。だから中年世代達の成功談やそれを支える価値観念群は彼らにとっては全く輝きを持たない。それどころか若い世代にとって、それは反面教師像である。
加えて中年世代の自分観念、私権観念に基づく言辞は、急速に高まる適応不全=みんな不全に対する答えにはならない。それどころかそれは閉塞を導き、仲間収束とみんな期待に蓋をするその元凶そのものであることを、若者達は明確に察知し始めているようにさえ思う。最早過去の成功体験や価値にしがみつけばしがみつくほど時代からずれていくばかりであることを、上の世代は自戒すべきであろう、と思う。 |
|
|
この記事は 53577 への返信です。
|
この記事に対するトラックバックURL http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_53952
※トラックバックは承認制となっています。
|
242673 |
団塊世代は元凶 |
大和魂 |
10/12/23 PM03 |
124090 |
反抗期の復活と、親元収束の関係は? |
なかめんた |
06/06/28 PM05 |
124026 |
そもそもわかってほしいって思っているの? |
匿名希望 |
06/06/27 PM10 |
123996 |
みんなが分かってくれない!の心底に潜む個人主義 |
西田美和 |
06/06/27 PM06 |
115720 |
反抗期 |
ぎゃお |
06/05/24 PM03 |
115438 |
大人と子供の会話 |
匿名希望 |
06/05/23 AM11 |
115426 |
聞く耳をもたない若者 |
藤田公一 |
06/05/23 AM09 |
115398 |
子どもを作るのはやはり大人 |
中村康次郎 |
06/05/23 AM01 |
109588 |
「反抗期」の感じ方の違い |
大橋いずみ |
06/04/23 PM07 |
109575 |
世代に対する期待が強くなっているのかも |
田宮礼子 |
06/04/23 PM02 |
107260 |
親和共認から闘争共認へ |
関谷啓太郎 |
06/03/12 PM11 |
106912 |
なんで?を一緒に考えよう! |
浅見昌良 |
06/03/07 PM01 |
104037 |
分かってあげられない大人、構ってあげられない大人 |
沼田竜一 |
06/01/15 AM01 |
100911 |
不可能視のおじさん世代 |
高梨俊寛 |
05/11/15 PM11 |
90568 |
同じ価値対立しながらも、現代は向う方向が不鮮明 |
佐藤晴彦 |
05/05/12 PM09 |
「旧観念」恐れるなかれ 「開放空間「THE ROTEN」」 |
05/04/19 PM05 |
4月8日は、なんで屋露店、ポカポカ陽気!! 「なんで屋@奈良」 |
05/04/11 PM11 |
87583 |
親子間で、社会人同士として社会のなんでを考える |
足立晴彦 |
05/03/19 AM02 |
86764 |
現代の活力源は「みんな」 |
匿名希望 |
05/03/04 PM02 |
83985 |
「反抗期の復活」になるほど!と少しの違和感。 |
松下直城 |
05/01/14 PM00 |
83423 |
お受験で親の自我が剥き出し。 |
匿名希望 |
04/12/31 PM03 |
83382 |
親と子の勝手な押し付けあい |
川井孝浩 |
04/12/30 PM03 |
56279 |
「異世代」の必要性 |
東努 |
03/06/04 PM10 |
54655 |
不全の感じ方にも世代間のズレ? |
仲西大輔 |
03/05/10 PM11 |
54635 |
プロジェクトX・・・ |
三木宏彦 |
03/05/10 PM04 |
54612 |
50代前後の世代の人は自分観念に何故拘るのか |
田原康夫 |
03/05/09 PM11 |
54590 |
活きた教材はまちにあった |
山田和哉 |
03/05/09 PM06 |
54534 |
新たな世代間対立 |
宮谷和枝 |
03/05/08 PM11 |
54428 |
充足に対する世代間のギャップ |
山田太郎 |
03/05/07 PM11 |
54394 |
「理由無き反抗」から「理由ある反抗」へ |
大木康子 |
03/05/07 PM01 |
54379 |
実感を失った観念世代と言葉を失った実感世代 |
阿部和雄 |
03/05/07 AM03 |
54326 |
全て捨てなくては。 |
後藤美奈子 |
03/05/06 PM04 |
54310 |
古代から続く言葉 |
東畑師将 |
03/05/06 AM11 |
54281 |
既得権や特権的身分に対する、みんなの闘い |
冨田彰男 |
03/05/05 PM09 |
54278 |
旧世代と「若者の意識」とは無関係なのか? |
鈴木隆史 |
03/05/05 PM08 |
54271 |
みんなバラバラから、みんなで協働 |
藤本正義 |
03/05/05 PM07 |
54241 |
ごまかしてきた問いかけに向き合う |
西村秀彦 |
03/05/05 AM00 |
54229 |
自覚 |
毛針田万作 |
03/05/04 PM10 |
54187 |
世代間対立は破壊から実現へ |
岡本誠 |
03/05/04 AM02 |
54170 |
「私権の現実」への異端視が顕在化してきた |
衛藤信義 |
03/05/03 PM03 |
54158 |
みんな期待の圧力が私権強者に引導を渡す |
熊谷順治 |
03/05/03 AM09 |
54089 |
年下こそが良き手本 |
足立晴彦 |
03/05/02 PM02 |
54067 |
尊敬できない大人との接点は |
山崎許子 |
03/05/02 AM00 |
54045 |
新しい世代は気付いている |
森政子 |
03/05/01 PM11 |
54035 |
組織を閉塞させる世代 |
石橋直樹 |
03/05/01 PM10 |
54025 |
中年世代によって疲弊進行する大企業、大組織 |
村田貞雄 |
03/05/01 PM06 |
54001 |
もはや、「自分だけ」は許されない |
石野潤 |
03/05/01 PM01 |
53993 |
思い込みの成功から脱して欲しい |
匿名希望 |
03/05/01 PM01 |
|
|