これらのことから考えられる近代科学の問題点は、社会を対象化していないということ。その中身としては、制度的基盤からすると、市場社会の期待にしか応えられない構造にある(環境問題等に力を発揮できないのもこの構造ゆえである。)と言う点と、市場社会の期待は私権獲得の優位性への期待で、本源的な社会の期待ではないということでないかと思います。また、科学が社会を対象化する必要があるということは、本源的な社会の期待に応えるということだとも思います。
当初の問題に戻ると、『重要な部分を切り捨てている。』『一面的で不完全である。』とは社会を対象化していない、市場の期待には応えられても、本源的な期待には応えられないということであり、『近代科学的方法』を盲信するのは、私権主体である己にとって、私権獲得に応えてくれた近代科学は都合がいいから(都合が良かったから)ということではないかと思います。
|
|