人類は新機能である、一体充足の回路で自然(万物)との一体化を可能にしたが、それだけでことは完結しない。
何故なら本能・共認回路(特に本能回路)は、外圧に対峙し自らを防衛するための回路である。言葉を換えれば一体化を妨げる回路である。従って一体充足回路を作動させるためには、本能・共認回路を凍結or麻痺させなければならない。つまり一体回路と本能・共認回路はそのままでは存在自体が矛盾している。
※同一視充足は不全感=苦痛を麻痺させているだけで、本能機能そのものを麻痺させているわけではない・
また、また一体化した自然(世界)は一体回路から見れば充足対象(プラス対象)であるが、本能回路や共認回路から見れば、適応できない(不整合に満ちた)存在である。従ってそのままでは意識は混濁(分裂)してしまう。
共認回路も同様で、そもそも共認回路は旧回路の中の先端回路であるが、同類を対象化した回路なので同類以外の対象は対象外(把握できない)である。だから、本能回路の判断に基づいて共認内容は形成され、共認回路とも分裂する。
従って意識の再統合のために既存の本能回路、共認回路に代わる新たな対象化(と新たな主体の形成)が不可欠、かつ緊急課題となる。
つまり分裂した回路=主体を再統合することが必要になる。(観念回路はそのために登場した)
再統合のためには具体対象の背後に、かつ一体回路が掴んだエネルギーの塊の中に、「何か」を措定する必要がある。
それは本能と共認機能から見れば、(プラスマイナスを超えた)「超越対象」「畏敬の対象」の措定となる。それが「精霊」(具象の背後にある力・エネルギー)である。
またそれは、共認回路から見た、「期待応合(対話)の対象」ともなる。
この具体事象の背後にあるエネルギーや力=精霊の措定こそ、観念の原型である。 |
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