地震・噴火・気象
377911 地震の発生メカニズム「熱移送説」の地震予測精度は90%・・・角田氏の最新の研究より
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 22/06/05 AM00 【印刷用へ
現在は、地震のメカニズムはプレートテクトニクスで解明されたといわれているが、膨大な研究費を使っても予知精度は極めてわるく、矛盾点もかなりある。それに対して、角田氏の熱移送は、火山活動との関係を主にした実態調査から、かなり説得力のあるものだと思われる。

10年前の記事、
『地震の発生メカニズム「熱移送説」の紹介(1)(248043)』
『地震の発生メカニズム「熱移送説」の紹介(2)(248044)』
のほか、多くの記事がある。

そして、2022年1月に発刊された、角田氏の続編『徹底図解 メガ地震がやってくる(リンク)』では、その後の追求により、かなりの精度で地震を予測できそうな事実が解ったようだ。
それらを要約すると、

1.地球の内部層

※研究者により異なる点もある。
※温度・圧力と相様・化学的組成・・・などを組み合わせた推定であり、はっきりしたものではない。
地球の半径は約6400Km。

☆地表部から順番に化学的(物質の違い)により分かれる層を見ていくと。
@地殻:     厚さ  40km 岩石等の薄皮
A上部マントル: 厚さ 660Km 1000℃以下
B下部マントル: 厚さ 2200Km 下から5700℃〜2000℃
C外核:     厚さ 2200Km 
D内核:     厚さ 1200Km 5500℃

それに対して、
☆力学的(流動しやすさから)分かれる層は、
@リソスフェア: 厚さ  100Km 固い   高剛性
Aアセノスフェア:厚さ  300Km 柔らかい 流動性
Bメソスフェア :厚さ 2600Km 固い   高剛性
という現在の知見。

2.熱移送説

@下部マントルはどろどろのマグマだけで、そのような高温の液体では地震は起こらない。次に、地表下410〜660Kmの、上部マントル下層に位置する250Kmの厚さの部分は、遷移層と呼ばれ、岩石と、どろどろのマグマが入り混じった状態。その遷移層は高温の下部マントルに接し、そこから高熱を受け、岩石層は熱せられて割れていて地震の原因となる。

つまり遷移層に火山活動と地震双方の発生源がある。火山活動から見ると、日本は環太平洋の地球の熱の吹き出し口のルートの一部にあるので地震が起きやすい。

3.「角田氏の続編『徹底図解 メガ地震がやってくる』」の知見。

@地震予知推測に利用しているデータ。

1)地震データ
2012年より、USGS(アメリカ地質調査研究所)が、上部マントルの下端である地下660kmまで、世界中の地震データを公表。

2)火山活動データ
・スミソニアン自然科学博物館は、世界中の火山活動の詳細データを公表。

☆この二つのデータを用いて、門田氏は過去の地震を検証し、地震前のデータから発生した地震との関係を分析した。

A推定方法

1) 地表下410〜660Kmの遷移層では、マグニチュード3〜4の地震は毎日起きている。これを深発地震と呼ぶ。しかし、この程度の地震では地表には地震は発現しない。かといって、マグニチュード6程度の深発地震はめったに起きない。

2)それに対して、マグニチュード5.5以上であれば年に20〜30回起きる。そこから、このような地震が連発してひと塊になると地表部に地震が起きるのではないか?と仮説を立てて、期間を1年として検証した。

3)その仮説をもとに、過去の地震発生と深発地震のマグニチュード5.5がどのくらい連続すると大地震が発生していたかを検証した。

B分析対象と結果

1)1995年1月 阪神大震災

・マグニチュード5.5以上の深発地震:地震前半年間に、1週間で5回以上が3回。
・深発地震の発生地域:ジャワ・フィジー
・同時期の火山活動の活性化:パプアニューギニアやインドネシアで火山が大爆発。

2)2011年3月 東日本大震災
・マグニチュード5.5以上の深発地震:地震前8ヶ月間に、1ヶ月で10回。
・深発地震の発生地域:フィジー・フィリピン
・同時期の火山活動の活性化:グアテマラ・インドネシアで火山が大爆発。

3)2016年4月 熊本地震
・マグニチュード5.5以上の深発地震:地震前10ヶ月間に、1ヶ月で6回。
・深発地震の発生地域:フィジー・小笠原諸島。
・同時期の火山活動の活性化:ロシアのジュパノフスキー・御嶽山・口永良部で火山が大爆発。

4)2004年12月 スマトラ地震

・マグニチュード5.5以上の深発地震:地震前3週間に、3週間で6回。
・深発地震の発生地域:フィジー・小笠原諸島。
・同時期の火山活動の活性化:インドネシア・浅間山・パプアニューギニアで火山が大爆発。

5)2008年5月四川地震

・マグニチュード5.5以上の深発地震:地震前8ヶ月間に、一週間で7回と5階の2段階。
・深発地震の発生地域:フィジー・フィリピン・トンガ・パプアニューギニア。
・同時期の火山活動の活性化:アリューシャン列島で2回の大爆発。

これらの結果、マグニチュード5.5以上の深発地震が一年以内に1週間に5回以上起きると大地震に繋がることが解った。この仮説をもとにさらに過去の地震を分析すると、的中率90%程度で過去の地震は予測できたことが判明した。

これにより、火山活動こそ地震の原因である確度が極めて高くなり、ますますプレート説の矛盾がクローズアップされてきた。そもそも、この説ではプレート内に地震の原因はないことになるからだ。
 
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