吉田繁治氏『ビジネス知識源』<Vol.1147:これからの金価格についての総合論(前編)>を要約したもの。リンク
「これからの金価格についての総合論―3」
■世界のドルを増やす、米国の経常収支の構造的な赤字
【結論】米国は、一国で、世界の経常収支の赤字を引き受けている。この構造的な要素から、米国の対外債務は、増え続ける宿命にある(現在は3600兆円)。ということは、長期的には、金価格は上がり続ける。
■ドルは、海外でどう処理されているか(通貨の売買である国際金融)
【結論】ドルが、金準備制をやめたあとも基軸通貨と認められてきたのは経常収支の大きな黒字国である日本、ドイツ、中国が受け取ったドルを貯蓄(外貨準備と対外投資)して、米国に還流させたからである。
▼人民元という、ドルの攪乱要素
【結論】華僑(海外に3000〜4000万人)の投資家が、中国共産党の人民元に不安を感じ、事実上はドルペッグの、元脱出の機会を狙っている。2020年から、珍しく米国の金輸入が増えた理由は、米国の富裕な華人の金買いが増えたからであろう。米国人は、1933年から1975年まで42年間も、個人の金保有が禁止されていた後遺症から、金を買う投資家は少ない(それでも日本よりは多い)。日銀が金を買わないのは、米国がドル国債を買えと指示しているからである。 |
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