人工物質の脅威:大気・水・食品
362966 紙コップでコーヒーを1杯飲むと2万5000個のマイクロプラスチックを摂取することになる
 
洞口海人 20/12/25 PM11 【印刷用へ
そもそも「使い捨て」という「合理化」がマズいんじゃないか?

《以下引用》リンク

コンビニやコーヒーショップで飲み物を購入した時や、公共施設の休憩スペースに設置されているドリンクコーナーなど、使い捨て紙コップは日常生活の至る所で使われています。そんな紙コップに注いだ熱湯を分析した研究により、紙コップでコーヒーやお茶を飲むと大量のマイクロプラスチックが飲料に溶け出すことが判明しました。

今回、使い捨ての紙コップで温かい飲み物を飲んだ際の影響についての実験を行ったのは、インド工科大学カラグプル校で環境工学を研究しているSudha Goel准教授らの研究チームです。研究チームは、紙コップにコーヒーなどを注いだ状況を再現するため、まず市販されている使い捨て紙コップを5種類収集しました。5種類の紙コップのうち、4種類は高密度ポリエチレン(HDPE)グレードのプラスチックフィルムで内側がコーティングされたものだったとのこと。

研究チームが紙コップに85〜90度の熱湯を100ミリリットル注ぎ、15分間放置してその様子を蛍光顕微鏡で観察したところ、マイクロプラスチックが湯の中に放出されていることが確認されました。

以下は、研究チームが撮影したマイクロプラスチックの顕微鏡写真です。Goel氏らがマイクロプラスチックの数を計測したところ、ミクロンサイズのマイクロプラスチック粒子が100ミリリットル中に約2万5000個含まれていることが分かりました。

この結果についてGoel氏は、「コーヒーやお茶を飲むのにかかる15分間でカップのプラスチック層が劣化し、2万5000個のミクロンサイズの粒子となって飲料中に放出されます。つまり、紙コップ入りの温かい飲み物を毎日3杯飲む人は、肉眼では見えないマイクロプラスチックの粒子を1日に7万5000個摂取することになります」と話しました。

また、紙コップの中の試料を走査型電子顕微鏡で観察した結果、1ミクロンより小さいサブミクロンサイズのマイクロプラスチックは約102億個も入っていたことが分かりました。さらに、フィルムの劣化によりフッ化物・塩化物・硫酸塩・硝酸塩などのイオンが飲料に溶け込んだことも確認されています。研究チームは、「実験には超純水を使用したため、これらの物質はほぼ確実に紙コップ由来」としています。

記事作成時点では、マイクロプラスチックが直接人体に及ぼす影響や毒性は明らかになっていませんが、Goel氏は「マイクロプラスチックはパラジウム・クロム・カドミウムなどの有害な重金属を運ぶ媒体として機能することが分かっています。従って、長期間にわたり定期的に摂取すると、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります」と述べて、懸念を示しました。

市場調査会社IMARC Groupの調べによると、2019年に世界で生産された紙コップの数は約2640億個にのぼるとのこと。また、生分解性プラスチックの普及を目指している業界団体のEcoLifeは「使い捨て紙コップには大きな需要があり、リサイクルもできないので森林伐採の原因となり得ます。また、プラスチックを含んでいるため土中でも完全には分解されず、薄いプラスチックのフィルムが残ってしまいます」と話しています。

こうした問題を踏まえて、インド工科大学カラグプル校の農業食品工学部長であるVirendra Tewari氏は、「私たちは、プラスチック製の容器が環境に負荷を与えるとして、すみやかに紙コップに置き換えました。しかし、今回の研究によりこうした対策を行う際には慎重な検討が必要なことが示唆されています」とコメントしました。

なお、インドでは伝統的に「Kulhar」と呼ばれる粘土製の使い捨てコップが飲み物の販売などに使われていますが、近年では紙コップの普及により都市部などでは使われなくなってきているそうです。

《引用以上》
 
List
  この記事は 361221 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_362966
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp