共認心理学:現代の精神病理
358081 異端視は過剰な向社会性による排外感情
 
匿名希望 20/07/01 PM05 【印刷用へ
〇人のいじめの起源

ヒトの肉体は脆弱→生存のため集団形成→集団破壊因子があると集団の危機→自集団を守るため排除する機能を身に付けた

つまり、集団を維持しようとする「向社会性」が高まりすぎると「排外感情」も高くなり、自らとは違うものを「異端視」し、排除しようとする思想が芽生える。

以下、引用

「あんたが登校するほうに50円かけたから、明日こそ必ず学校に来てよね」――筆者が中学生の頃、同級生のこの言葉を聞いた時に「自分の価値は50円なんだ…」と思った。人の考え方や人生を変えてしまうほど強い力を持っている。それがいじめの恐ろしさだ。

 毎年夏休みが明けると、いじめを苦にして自ら死を選ぼうとした人の存在がニュースを通じて報道される。その悲しいニュースに触れるたび、多くの人が「いじめなんてなくなればいい」と憤るのに、学校という枠だけでなく、社会に出てもいじめはなくならない。人は誰かをいじめずにはいられないのだろうか――。

 誰もがよくないと分かっているのに、根絶できない。その「いじめ」の正体を脳科学という視点から解き明かすのが、『まんがでわかる ヒトは「いじめ」をやめられない』(中野信子:著、かんようこ:まんが、サイドランチ:編集協力/小学館)だ。本書は、ヒトがいじめをやめられない理由と、そのうえでの対処法をストーリーコミックの形でわかりやすく解説する1冊だ。

 本書は2017年に発刊された中野氏の書籍『ヒトは「いじめ」をやめられない』をオリジナル漫画化し、ストーリーにあわせて再構築したもの。いじめが発生するメカニズムを分析することで、問題解決への糸口を探りやすいように作り込まれている。

■ヒトがいじめをやめられない理由は?
 いじめは犯罪ではないと考えている人もいるかもしれないが、実際そうではない。また、いじめのせいで「死」に踏み切ってしまうこともあるほど、心と体がボロボロにされる。いじめ問題はきれいごとだけでは解決できないという。いじめをなくしていくには、まず“ヒトの脳”がなぜいじめという選択肢をとろうとするのかを知る必要がある。

 ヒトはどうしていじめをやめられないのか――。その理由を脳科学的に探ると、とても奥深い。中野氏によれば、いじめはヒトが生存率を高めるため、進化の過程で身につけたひとつの「機能」なのだという。

 ヒトは他の野生動物よりも脆弱な肉体をしている。それを補い、生存し続けるため、集団を作り、グループで協力し合ってきた。しかし、集団の中に内部からの破壊を試みる「フリーライダー」がいると、集団として機能しなくなる恐れがある。そこで、ヒトの脳には、自分自身や集団を守るため、このフリーライダーになりそうな人物に制裁行動を起こし、排除しようとする機能が備え付けられたというのだ。

 制裁行動は社会性を保持するために必要だが、集団を維持しようとする「向社会性」が高まりすぎると、「排外感情」も高くなり、自分たちとは違う人を排除しようという思想が芽生える。すると、ルールを破ろうとしている人だけではなく、多くの人が認識しているスタンダードとは“少し”異なる人に対しても制裁感情が発動してしまう…。

「過剰な制裁(オーバーサンクション)」と呼ばれるこの感情こそが、いじめの根源。私たち人間の脳は、いじめをやめられないつくりになっているのだ。

■本能的ないじめをなくすには科学的な理解が必要
 しかし、私たち人間には自分を守る防衛本能だけでなく、誰かを守ろうとする優しさや愛情、さらに理性も備わっている。ひとりひとりが正しい知識を得て意識を変えていけば、いじめをなくすことはできるはず。本書では脳科学的観点をいかしたいじめへの対処法も解説されているので、そちらも参考にしてほしい。

 近年では学校や職場だけでなく、執拗な晒しあげなどのように、SNSやネット上のサークルが荒れることも多い。ネットの炎上は「自分は正しいことをしている」という正義感がもとになり生まれていることも多い。だが、個人としてはなにげなく投稿した言葉によって、誰かの人生が変わってしまったり、ましてや命の灯を消してしまったりしてしまう可能性があるということにも気づく必要がある。

 脳の仕組みを学びながら、「ヒトはみんな違うからこそ、おもしろい」と思えたら、世界はもっと優しく、そしてヒトの生き方はもっと楽になりそうだ。
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