マスコミに支配される社会
356707 全体観をもった未来を描けるか
 
匿名希望 20/05/14 PM08 【印刷用へ
こんなときこそ引いた目で世の中の課題の全体観(perspective)を持つことが重要だ。必ずしも全容がわかるわけではないが、自分の頭の整理もかね、こういうことなのじゃないかというものを書いてみようと思う。

_

リンク

非常にざっくりと言えばこの課題解決は5つの領域(レイヤー)に分けられる。

1)COVID対応、、いかにダメージを少なくし、制圧し(安定的な平衝状態を実現し)、医療システムのキャパオーバー、最悪のケースの崩壊*1を防ぐか。
2)社会の基本コアシステムをどう回すか、、ヘルスケア、ビジネス、教育、行政システム、飲食をどのようにこの状態で回すのか
3)社会のOS的なインフラ機能をどう止めずに回すか、、通信、物流、電気、ガス、石油、上下水道、ごみ処理など(農業・漁業もほぼココ)
4)お金、、経済的に企業や家庭がどのようにしのぎ、立ち直っていくか
5)ルール作り、、これらの不連続かつ急速な変化に対してどのようにフレキシブルかつ大胆に対応し、方向性を修正していくか

当然のことながら、これに合わせて仕組みの刷新を相当に激しくやっていく必要がある。また、これを世界各地の進捗状態の中でうまく回していく必要がある。

ご存じの方もいらっしゃると思うが、コロナを含む感染症のための病床数は4/4現在、日本全体で4,000あまりだ*8。一度入院したら2週間はいなければならないとすると、年間52週で26回転、4,180 x 26 = 108,680 = 約11万人の治療が可能ということになる。入院が必要な重症化率が世界平均同様に5%だとするとこの国が現在対応できる感染者数は年間で11x100/5= 11x20 =220万人に過ぎない。これでは「もしキャパを溢れさせないとするならば」50年以上(57年+)の時間がないと今の人口(12,600万人)全員に免疫ができることはない。50%を目指すとしても29年だ。普通の経済的な感覚ではほぼ無限に続くことになる*9。

仮にこれが1万までCOVID対応可能な病床が増えても同じ計算で*10、免疫を持つ人を50%にしようとすると約12年かかる。3万まで増やしても約4年だ。つまり、向こう数ヶ月で沈静化するという可能性は中国のような完全シャットダウンを行って封じ込めない限り考えられない*11。この状況は他の主要国もそう変わらない。したがって"手なり"で考える限り、来年オリンピックが当初期待していた形でできる可能性は低い。

実際にはいま世界で知られているだけで100以上のワクチン候補の開発プロジェクト*12が進んでおり、6月にも動物治験に入るもの、9月にも人間での治験に入るものなどがあり、早ければ年始にはなにか生まれてくるだろう*13。ワクチンは当然のことながら社会の免疫獲得を劇的に加速する。とは言え、これが10億単位で量産され、世界中の人が打ち終えるのには少くとも数年はかかるだろう。経済的な主要国の50%までをターゲットにしても、現実的な楽観シナリオでも1-2年はかかるというのが普通の見立てではないだろうか*14。

したがって、我々は当面、(感染爆発を極力抑止し、特効薬、ワクチン開発とその展開に最善を尽くす前提で)この疫病と共存的に生きていくしかないというのが現実的なシナリオと言える。僕らは再び、70-80年前に戻ったのであり、ある種の慎重さと生命力が何よりも問われる時代に舞い戻ったということができる。
 
List
  この記事は 211321 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_356707
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp