市場は環境を守れない、社会を統合できない
353085 日本政府は自国の農業をつぶすだけでなく、アジア諸国へ圧力をかける側に廻っている
 
高橋克己 ( 65 島根 建築士 ) 20/01/23 PM10 【印刷用へ
 農業は今、市場支配を進める巨大企業と、それらの動きから在来の品種を守っていこうとする人々との大きな綱引きの状態にある。この、マスコミが伝えない、種子や種苗をめぐる大きな動きを精力的に伝えている人がいる。
その一人、印鑰(いんやく) 智哉氏のブログから紹介させていただきます。

リンク


以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
『世界の動きを2分する種子をめぐる動き』

 化学企業が導入した化学肥料や化学合成農薬など化学物質を用いた農業は、土壌の微生物を撹乱し、土壌の崩壊を招くだけでなく、さまざまな生命を絶滅に追いやろうとしている。そして人びとも治癒が困難な慢性疾患に苦しめられ、生殖能力も失わいつつある。気候変動の大きな原因ともなっている。
  生命を傷つける技術と科学ではなく、もう1つの技術と科学のあり方が存在している。農家の知恵との対話の中から生態系を守りつつ、その力を引き出し、最大限の栄養で社会を栄えさせる、アグロエコロジーがそれだ。これを活用することで地域が経済的にも発展できるも世界の多くの地域で証明されて、国連もアグロエコロジーの推進に転換した。そしてこの実践が気候変動を緩和、収束する力にも注目が集まっている。
  破壊に向かう工業型農業と破壊から再生に向かうアグロエコロジーという2つの相反する方向に向かう岐路に私たちはいる。後者は現在、急激に世界で発展を遂げており、わずかこの10年で世界の多くの国の食品市場の姿を変えつつある一方、前者は世界の大きな反対の声の前に停滞を余儀なくされている。
  しかし、この工業型農業はほんのわずかな多国籍企業によって支配され、彼らが世界政治に持つ力は絶大である。今、世界で進む自由貿易協定で彼らに有利な条約の批准を強制し、その結果、彼らの技術を使った農業が強制されつつある。

 それがもっとも象徴的に進められているのが種子の分野である。多国籍企業は種苗育成者の知的所有権である育成者権の優越を定めたUPOV1991年条約の批准を自由貿易協定で押しつけている。TPP、RCEPなどの自由貿易協定に参加するために多くの国が批准の圧力を受けている。国内法で農家の種子の権利が奪われれば、その農業技術は失われ、工業型農業が強制されることになる。

中略

 残念ながら、日本はこのような世界のまっただ中にいる。それどころか、これらの推進役となっているのが日本政府である。アジアでこのUPOV1991年条約の推進を促す活動を行ってきたのは東アジア植物品種保護フォーラムだが、これは日本政府が作ったものである。日本政府はTPPやRCEPでもアジア各国にUPOV1991年条約の批准に圧力をかけている。外国に圧力をかけると同時に種子法を廃止し、来年早々には種苗法改訂も予定している。

引用終わり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 日本政府は自国の農業を米国に巣くう巨大企業に献上するだけでなく、アジア諸国に圧力をかける側に廻っているという。
私たちはそういう事実を知らない。
すっかりこういう勢力の支配下に入ってしまったマスコミに代わって、良識ある人達によるネットの発信にアンテナをめぐらすしかないのだろう。
 
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