学者とマスコミはグルで頭脳支配
348195 新たな地質年代〜すでに完新世は終わっている〜
 
森山みくり ( 3 ) 19/08/03 PM11 【印刷用へ
それが現在、すでに完新世は終わっており、新たな地質年代に突入しているとする学説が真剣に検討されている。新たな地質年代の名は「Anthropocene」(アントロポセン)、人類の時代という意味だ。日本語では「人新世」と書き、「じんしんせい」または「ひとしんせい」と読む。人類の活動が、かつての小惑星の衝突や火山の大噴火に匹敵するような地質学的な変化を地球に刻み込んでいることを表わす新造語である。

本稿では、この「人新世」の概要と意義について簡単に述べてみたい。
「人新世」の誕生
発端は、さる高名な科学者の若干軽率といえなくもない発言だった。その科学者とは、オゾンホール研究でノーベル賞を受賞した大気化学者パウル・クルッツェン。2000年2月、彼はメキシコで行われた地球科学の会議に出席していた。そこで完新世、つまり1万1700年前から現在にいたる地球環境の変化についての議論に耳を傾けていたのだが、苛立ちのあまり、思わず叫び声を上げてしまう。

「違う! 今はもう完新世ではない。今は......今は人新世だ!」

碩学による不規則発言に限りなく近い提案に会場は静まり返ったが、この新造語は聴衆に強い印象を残し、会議の期間中に何度も言及されることになった。以上、国際層序学委員会の「人新世」作業グループ長を務めるジャン・ザラシーウィッツの報告である★1。

さらにクルッツェンは2000年5月、彼とは独立に人新世の名称を考案していた生物学者のユージン・F・ステルマーとともに共著論文「The "Anthropocene"」★2を、2002年には単著論文「Geology of Mankind」★3を発表、晴れて「人新世」の公式デビューとなった。直感的にも理解しやすいこのアイデアは、またたくまに分野を超えて広がった。いまではおもに他分野の研究者やジャーナリスト、活動家によって、環境問題や文明論を語る際の鍵概念として多用される事態となっている。

しかし、事は地球の地質年代区分である。それが正式な地質年代となるためには、多くの証拠が積み重ねられ、世界中の専門家からなる国際的な学術団体によって認定されなければならない。「人新世」のひとり歩きという状況を重く見た複数の学術団体が、現在、人新世を正式な地質年代として認めるかどうかを検討している。

当の専門家たちにとってさえ意外であったと思われるのは、この新奇な地質年代区分が、学問的には保守的と考えられる専門家集団によってさえ、かなり好意的に受け入れられているという事実である。たとえば、2016年8月に行われた第35回国際地質学会議での検討作業では、「人新世」を正式に採用するかどうかについて、賛成30/反対3(棄権2)という投票結果が示された★4。承認プロセスにはほかの3学術団体による同意を必要とするため、最終決定にはさらに数年を要すると思われるが、この調子でいけば正式に採用されるのではないかという勢いである。

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