脳回路と駆動物質
345850 「ひらめき」の原理
 
す太郎 19/05/13 AM01 【印刷用へ
人は「ぼーっと」している時、脳の広い領域を使っているそうです。よくよく思えば確かに納得でき、作業に集中している時に脳の一部を活性化させているのであれば、そうでない時は脳細胞の電流は脳全体を「何気なく」散策しているのであろう。さらに記憶とは脳の至る所に散りばめられており、散策する電流が脳内の「記憶の断片」をつなぎ合わせていく。そのうちに時として「ひらめき」が生み出されるそうです。

これを意識的な活動と比べてみると実感と結びつきやすいと思います。スマホで何でも調べられる今日、検索ワードを入力すれば欲しい情報が手に入ります。しかし、あくまで検索ワードに纏わる内容であるため、世に幾多もある情報の中の一部に過ぎません。代わって図書館に行く場合、特に当ても無く散策して館内中を歩き回ったりすることがありますが、そのときは全体の情報を何気なく見て回っています。そして気になった本があれば手にとって見ては戻すことを繰り返す。そのうちに借りたい本が絞れてくるでしょう。

「ぼーっと」しているとは、この図書館内を散策している状況に近く、脳内の電流は当ても無く歩き回っているのです。いくつかの本(=記憶の断片)を探り回りながら、「これ借りたい」と思う本に巡り合う(=ひらめく)。

ここで重要なのは検索ワードで限定されたような情報ではなく、全体が満遍なく網羅された情報の中を巡ることです。無秩序に散らばる「記憶の断片」がつながる時に「ひらめき」が起きます。本の少ない地方図書館よりも中央図書館の方が多くの情報を巡れるように、情報の母数が多いほどつなぎ合わせの機会が増え、「ひらめき」のチャンスも増えます。つまり「ひらめき」にはより多い情報量が必要なのです。

何も考えないで「ぼーっと」するのでは「ひらめき」は生まれません。日頃の追求や情報のインプットが基盤として欠かせません。

海外の有能ITプログラマーは自分たちの子どもをデジタル機器が禁止されている学校に通わせるそうです。その代表の一つにウォルドルフ学校があり、協調性と創造性に重きをおいています。リズムに合わせてクラスメイトとアート作品を作ったり、自然素材を使った図画工作をしたりするのですが、なぜITプログラマーの親は子ども達に早期からプログラミングを習得させないのでしょうか。それは、幼い頃からデジタル機器に頼ってしまうと自分で思考しなくなってしまうためと親たちは話します。

思考しなくなるとは、つまり追求や情報のインプットを主体的に行わなくなるということで、よって「ひらめき」の基盤ができなくなると言えるのではないでしょうか。「ひらめき」とは考えもしなかった発想であり、未知に対する可能性です。可能性は集団を導き統合するために必要不可欠な収束先です。これを図解で整理すると、

思考する→情報のインプット→追求→幾多もの情報=可能性の芽⇒ひらめき=可能性⇒集団統合

となります。
脳回路の仕組みを理解することで、「ひらめき」の原理ひいては可能性の創り方を考えてみました。こう振り返ると「ひらめき」とは人間の脳にしか出来ないことで、これから向かえるAI時代で勝ち残る突破口になり得ます。人間は他の動物よりも記憶力に優れています。普段から情報を脳内にインプットしておくことで、ふとした瞬間に「ひらめき」が生み出せる生き物であるともいえるでしょう。

参考
・NHKスペシャル”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体
・クローズアップ現代+“AIに負けない”人材を育成せよ
 
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